劇場公開日 2022年1月7日

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「デヴィッド・ボウイの75回目の誕生日に」ジギー・スターダスト よしえさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0デヴィッド・ボウイの75回目の誕生日に

2022年1月9日
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鑑賞方法:映画館

わたしにとってデヴィッド・ボウイは、10代の終わりから20代のはじめにマーク・ボラン、イギー・ポップとともに出逢ってそれぞれに影響を受けた、特別な存在のひとりだ。マーク・ボランは人間的にはかなりダメなやつだし、イギー・ポップはあのとおりどこか箍が外れてるが、デヴィッド・ボウイは割とまともな人だと長年思っていた。そうでもないのは後で知ったけど。
そんな愛してやまないデヴィッド・ボウイだけれども、これまで機会がなくてライヴ映像をあまり見てこなかった。元々あまりライヴ音源に興味がない方でもあるので、あえて積極的に見てみようという気がなかったというのもある。ジギー・スターダストのツアーについては、山本寛斎のステージ衣装のこともありスチルはあちこちで見たことがあるけど、音源としても映像としても、今回初めて触れたことになる。
ボウイのアルバムでどれが一番好きかと聞かれたらあれこれ逡巡の末結局『ジギー・スターダスト』と答えると思う。アルバムとしての完成度なら『ヒーローズ』や『レッツ・ダンス』の方が上だと思うけど、創めて通しで聴いた時の「あ、これ好きだ」という感覚は多分一生忘れないのではないだろうか。
結局映像については何も語っていないに等しいけれども、『ジギー・スターダスト』というアルバムについての思い入れはこういったところだし、映像としては「何という色気、というよりはっきり言えばエロスの塊のような男なんだろう」というくらいの感想で、もちろん自分劇場のスクリーンで観られてよかった、眼福眼福、というのはあるのだが、どちらかというとやっぱり画よりも音が心地よい。ボウイの声、ミック・ロンソンのギター、どっちも良い。改めて好きだな、と再認識した。
なお、あまり意識していなかったのだけれど、映画を観た2022年1月8日はデヴィッド・ボウイの75回目の誕生日の日だった。これもなにかの導きだろう。

よしえ