令嬢と女賊

解説

「レ・ミゼラブル」「地獄の天使」等出演のジウエル・カーメン嬢がフォックス退社後暫く映画界を去り、メトロ社に入り再び斯界に復帰した第1回作品で、ローランド・ウェスト氏の原作監督になる女賊劇である。脚色はD・J・ブカナン氏とチャールズ・H・スミス氏。レスリー・オースティン氏が相手役、その他ヴァージニア・ヴァリ嬢が出演している。

1921年製作/アメリカ
原題または英題:The Silver Lining

ストーリー

2人の孤児の娘のうち、エヴァリンは富裕な家庭へ、1人はある盗人の家へ貰われて成人し、毎日盗みの方法を教えられているうち、今では「エンジェル」といえば悪人仲間でも有名な女スリとなった。或日「エンジェル」は電車中の一紳士の時計を盗んだが、その紳士は実は名高い悪盗ジョンスンで以来彼女は彼の手下になった。富裕な家にわがまま娘として育ったエヴェリンは小説家の許嫁者エリントンの捨て他の男に走った。エリントンは失恋の傷手に泣いたが、ある機会に「エンジェル」に会い、次第に彼女に心惹かれた。「エンジェル」の兄としてこの若い小説家に紹介されているジョンスンは彼女に対する恋を利用し彼から莫大の金を巻き上げる策を講じた。しかしエリントンの小説家から深い教訓を覚え、始めて自分を反省して見た彼女は尊敬と恋とを同時に此小説家に感じたが、恐ろしい過去を思ってその恋は犠牲にし彼をジョンスンの毒手から脱れしめた。ジョンスンは始めて人間の至情に打たれ改心して若い2人の幸福を祈って何処かへ去った。今は老齢の一秘密探偵、昔の悪人ジョンスンの想い出話しである。

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