流行の女王

解説

「白衣の天使」「母の素顔」と同じくケイ・フランシスがアイアン・ハンターを相手に主演する映画で、ウォーレン・ダフとヴァージニア・ケロッグが書卸し「母の素顔」のケイシー・ロビンソンが脚色し、「進め龍騎兵」のマイケル・カーティズが監督に当たり、「母の素顔」のシド・ヒコックスが撮影した。助演は「風雲児アドヴァース」のクロード・レインズ、「スペイン狂想曲」のアリソン・スキップワース、「処女散歩」のベティー・ローフォード、英国から来たアレクサンダー・ダーシー、「小公子」のウォルター・キングスフォードその他である。

1937年製作/アメリカ
原題または英題:Stolen Holiday

ストーリー

1929年、ニコルは小さな衣装店でマネキンとして働いていた。彼女は衣装のデザインに秀れた才を持ち、デザイナーとして身を立てようと思っていたが、彼女の友達で年輩の裁縫師シュザンヌはトランプ占いをしてニコルの前途には危険が横っていると判した。仕事を終えて帰宅しようとした時、突然マネキンたちは呼び集められた。店には見知らぬ男ステファン・オルロフがいた。彼は衣装を注文し、パリの自宅で着せて見せるのにある金持ちのフランス娘に似たマネキンが欲しいと言う。彼が選び出したのはニコルであった。連れて行かれた大邸宅は空屋だった。オルロフは怖がるニコルに謝り、自分は無一文の山師であると告白し、彼がある事業の金主にする積りの銀行家と一緒に食事や観劇を附合ってくれと頼むのだった。ニコルは彼に対して好感を持った。オルロフもこの仕事が巧く当たれば彼女のために衣装店を開きデザイン主任にすると約束した。かくてニコルは小さな店を振出しに数年の間に次第に店を広げ、ついに現在の大衣装店を経営するに至って、ニコルの名は世界の流行界に宣伝された。店の流行衣装展には内外の顧客や流行批評家が集まるが、シュザンヌもそこへ来て、いつかの占いに出た不吉な男はオルロフだと告げる。オルロフは莫大な資金を作り経済界で重きをなしていた。ニコルは彼を好きではあるが求婚には応じない。流行展に英国の青年外交官トニイ・ウエインが婚約者のヘレンを伴って現れた。オルロフは全欧州に跨る不正金融事業に関係していたが、身辺に危険が迫ったので相談相手の銀行家に会うためニコルを伴って飛行機でスイスへ赴く。そこでニコルは再びトニイと会い二人は恋に陥った。パリではオルロフの仕事から財界の破綻と騒動がおきたのでオルロフは至急パリへ帰る。彼の身を気使ったニコルは後を追う。彼を潔白だと信じているニコルは乞われるままにトニイとの恋をすてて結婚を承諾する。ニコルはトニイに別れを告げ、オルロフとの結婚式が挙行されたが、逮捕が迫ったので一人変装して逃走した。彼は国境付近の百姓家に隠れていたが、ニコルに罪を告白し、彼女に対する愛だけは真実であったと言い残し、官憲が近づいたのを知ると彼女に迷惑をかけないように自殺して果てた。ニコルはパリに帰り、快く迎えたトニイと結婚した。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く