夜の大統領

解説

「犯罪王リコ」「法の外(1930)」のエドワード・Ｇ・ロビンソンが主演する映画で、キュベック・グラスモン、ジョン・ブライト、ルシエン・ハバード、ジョセフ・ジャクソンが共同して原作脚色し台詞をつけ、「生娘二人入用」「モダン出世鏡」のアルフレッド・Ｅ・グリーンが監督し、「復活(1927)」「氷原の彼方」のロバート・カールが撮影した。助演者は「千万長者」「氷原の彼方」のエヴァリン・ナップ、「地獄の一丁目」「氷原の彼方」のジェームズ・カグニー、「ビッグ・マネー」のマーガレット・リヴィングストン及びモーガン・ウォーレス、「河上の別荘」のノール・フランシス、その他ボリス・カーロフ、ポール・ポルカシ、モーリス・ブラック、ラルフ・ハロルド等である。

1931年製作／アメリカ
原題または英題：Smart Money

ストーリー

小さい田舎町の理髪師ニックは天才的の賭博者で、仕事が済むと裏の部屋で賭場を会長していた。ニックは賭博の才に秀でているとともにひどく運がよかったので何時も勝っていた。しかし彼はまた愛想が良くて始終ニコニコしていて、負けた客を怒らせない術を心得ていたので彼の内職は繁盛するばかりであった。しかし都の大賭博師となる夢想を抱いていたニックは、町の人達も勧めるので遂に都へ上った。着くとさっそく音に聞こえた賭博師ヒッコリー・ショートと手合わせしたいと思った。すると知り合いになった金髪女のマリーがヒッコリーならよく知っていると言って彼を案内した。そしてニックは散々に負けて空っけつになった。彼がヒッコリーだと思った男はスリーピー・サムといういかさま賭博師で他の手合いはサムのいかさまの相棒連だった。そしてマリーはサムの情婦だったのである。ニックは新聞でヒッコリーがフロリダにいることを読んで初めて図られたことを知った。復讐を誓ったニックは故郷の町でやった通りにまず理髪店を始めジャックという弟を相棒にして内職の賭博業を兼業した。彼の運の良さを見抜いた金持ちが目をかけてくれたので、ニックはたちまち相当の金を得た。それをもって彼はスリーピー・サムと勝負して敵を討った。しかもサムから情婦マリーを取り上げて女中にするほどの徹底的な大勝利を占めたのである。彼はその後ヒッコリーとも列車上で手合わせする機会を得、ポーカーで見事に勝った。それ以来ニックは賭博界の大立物になり、素晴らしい賭博場の経営をやるようになった。しかし彼は相変わらず理髪店の方もやめないでその筋の目をくらましていた。それにも係わらず彼の悪名はますます高まったので検事がニックをにらみ始めた。そして検事はニックが金髪女に目のないことを知って囮を送ったが、ニックは勘づいて相手にせず追い払ってしまう。ある日ニックがジャックと共に郊外散歩に行った時、ある男が入水自殺をしようとした娘を救っているのに出会った。その娘は金髪だったのでニックは家に連れ帰って介抱してやった。ジャックはこの女アイリーンも臭いとにらんで相手にするなとニックを諌めたが無駄だった。アイリーンは検事に説得されてニックを陥れる手はずを決め、ニックのポケットに賭博師の証拠となる競馬の台帳をこっそり入れた。ジャックはそれを知ってアイリーンに自白させようと首を占めるとたんにニックがやって来て、ニックとジャックとの争いとなり、ジャックは花瓶を頭にぶっつけられて死んだ。そこへ警官隊が押し入ってニックを捕縛してしまった。

受賞歴