狼たちの午後のレビュー・感想・評価
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アルパチーノいいね。
サルは、ゴッドファーザーの奴やんかって
はじめて観たときは、思った。なんかカッコいいやんか。情けなくはないよ。しかし殺され方は、気の毒。
ちょうど梅川の事件と重なって当時は注目したな。
【”社会的弱者且つマイノリティが惹き起こしてしまった事。”ストックホルム症候群という集団心理を世に知らしめた作品である。人間の善性を保つ犯人を演じたアル・パチーノの姿も印象的である。】
ー 内容は巷間に流布しているので割愛。-
◆感想<Caution! やや内容に触れています。>
・世と、自らが置かれた状況に納得がいかないソニー(アル・パチーノ)とサル(ジョン・カザール:若くして早逝・・)が、無計画に行った銀行強盗。
- だが、彼らは人質には、一切危害を加えない。
具合が悪くなった守衛の”黒人”男性は直ぐに解放するし、人質の要求には出来るだけ応える。食料としてピザを要求するシーンや、ソニーが口にする”アッティカ!”と叫び、取り囲む民衆の気持ちを得るシーン。(勿論、アッティカ刑務所での待遇改善を求めた暴動事件を指す。)-
・徐々に明らかになるソニーが、無計画な銀行強盗を行う理由が明かされるシーン。彼は妻子持ちであったが、最初にコンタクトを取ったのは、ゲイであるレオンであった。
- ソニーは、レオンの性転換手術2500$を得るために行動を起こしたのである。-
・ソニーが”アッティカ!”と叫んだ前後から、民衆及び人質になった人々はソニーの行動を支援する。
- そして、彼らの行動、自分達に接する緊迫感を纏いながらも紳士的に接する態度を見ていた銀行員たちの心理的変化も絶妙に描かれている。-
<今作の結末はほろ苦いが、ソニーやベトナム戦争でPOSDになったと思われるサルの姿が、印象的である。
銀行強盗は許されざる行為であるが、彼らの行動理由は明らかである。更に彼らに人間性を保ちながら立ち向かったモレッティ巡査部長の姿も、忘れ難き作品である。>
アッティカ
銀行強盗に入ったはいいものの
人質達に無計画だの言われ、
終いには基本的に虫も殺せないようなソニーは
人質の為に医者や食事をさせる始末。
実際に起きた事件なだけあって
犯人・人質たちのリアルな心境を描いています。
奥さんも居ながらゲイの恋人まで居ること、
本人はさほど気にもしていない
たまたま口に出たであろう「アッティカ」に
野次馬に乗せられてしまうことから、
ソニーがいかに優柔不断または
何も考えていない流されやすい人物なのかがわかる。
若干コメディちっくながらアルパチーノの演技に引き込まれていく作品。
実際の事件がもとで、アルパチーノの演技が評価された映画であるが確か...
実際の事件がもとで、アルパチーノの演技が評価された映画であるが確かにアルパチーノの演技は迫真という言葉にぴったりだ。秋に撮影されたが口に氷を含むなど徹底して白い息を出さないなど、観ても真夏にしか見えなかった。にしてもアルパチーノやっぱすごい。アッティカ!アッティカ!って台詞はすごくセンスよかった。
ほのぼの強盗劇の衝撃の結末
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
そこらあたりでコンビニ強盗やっているのと同じくらいに低能な犯罪者が行う銀行強盗は、当初から躓きまくる。顔も隠さず押し入り本名を呼びあい、強盗を始めた途端に仲間の一人がが怖くなって「やっぱり出来ない」と言って逃げ出すなんて、とんだ笑い話だ。しかも本当に起きた事件だそうだから、こんなことをいうのも失礼だがずいぶんとのんびりした強盗たちである。人質になった行員たちは最初は恐怖に引きつっていたが、その後はお喋りに花が咲いて、この大きな催し物をそれなりに楽しんでいる。このお粗末な強盗劇を笑い飛ばすための作品なのかと思ったほどに間抜けな雰囲気が続く。
だがそこにはこの催し物を見逃すまいと野次馬が押し掛け、事件の深刻さも考えずにただ楽しもうとする。報道機関も視聴者受けを狙った番組を作ろうとする。アル・パチーノが演じるソニーは、妻にも両親にも同性愛の相手にも理解されなかったり裏切られたりで、相棒のサルとも噛みあわず、この強盗の裏にある苦悩と孤独が浮き彫りにされる。そしてそんな彼自身も噛みあわない相棒を売ることになる。脱出が近づくにつれて命を失うかもしれないという予感が近づいてきて、最初の状況がすっかりと変化し緊迫感が高まる。
後半のその生死の境にいる雰囲気、特に最後の衝撃と、半日ですっかりとやつれたアル・パチーノの演技がなかなかのものだった。
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