狼たちの午後のレビュー・感想・評価
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アル・パチーノ独壇場の熱演❗
シドニー・ルメットの演出の視線はドライで、リアルだ。
この事件は、犯人が人質の体調に気遣いを見せたり、警察権力への批判を叫んで路上の野次馬たちから喝采を浴びたりして、テレビを通して全米の注目を集めたらしい。
ルメットは、ほとんどを現場である銀行の扉の内と外を舞台に、刻々と発生する事象を捉え続けている。
演者のアドリブに任せた部分も多かったと聞くが、臨場感のあるリアルな演出で見せる。
この愚かで滑稽な犯罪者を、敢えて愛すべき人物としては描かず、ヒーロー扱いはしていない。
ストックホルム症候群を過度に描くこともしていない。
出ずっぱりのアル・パチーノは、時に激しく、時に優しく、時に情けない様を熱演している。
堀の深いイタリア系の濃い顔立ちに汗を滴らせたアップは、実に魅力的だ。
サル役のジョン・カザールの自閉症的演技も評価されている。
が、この当時の名バイプレイヤーの一人、モレッティ刑事役のチャールズ・ダーニングの巨体を揺らした力演は見逃せない。
なんとか無事に事件を収束させようと熱を振るうのだが、全てFBIに持っていかれてしまう。
ここも、市警とFBIの指揮権争いなどのドラマは描かれず、FBIの指揮官が表に出るとモレッティ刑事は登場しなくなる。
事象だけをクールに見せるのだ。
FBIの冷酷で手際のよい作戦で、悲惨な結末となるが、人質たちは犯人たちの末路を冷静に見つめていて、決して犯人たちと心を通わせていた訳ではないんだと理解できる。
映画のモデルとなった実際の犯人は20年服役したそうだが、映画の収益が配分され、恋人はその資金で性転換手術を受けたというのも、嘘のような本当の話だそうだ。
アル・パチーノじゃなかったら。
午前十時の映画祭9
野良犬たちもぐったりな暑い午後。
とりあえずサスペンスではない
汗ばむ70年代を象徴するような映画
スチール写真で見てた印象とはかなり違った内容だった。原題は「Dog Day Afternoon」(盛夏の午後)。
アル・パチーノの妙にリアリティのある演技。ジョン・カザールのそこに居るだけというような存在感。(あの眼光なら派手なことしそうだがしない)
70年代の米国を象徴する要素多数。シドニー・ルメット監督の演出はソリッド。素材の味だけでシンプルに仕上げた感。テーマを投げかけ答えを観客に問うタイプの映画かな。
Dog day afternoon
真夏の熱演
臨場感
午前十時の映画祭にて。過去にビデオ鑑賞済み。
観終わっても、何ら特別な感情が沸いてこないのが不思議。当時の世相の中では受けたんでしょうけど、普遍的なメッセージが無いと、こんなもんなのかもしれないと、鑑賞翌日に思ってます。いや、俺、昔見て感動したセルピコとか、見に行くのが怖くなって来た。
ちなみに映画の中では「ストックホルム症候群」が現れます。映画には直接関係ありませんが、メディアを通じて広がっている、この言葉の説明は、ほぼ正しくありません。
(メディアが良く使う解釈) 誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることにより、犯人に過度の連帯感や好意的な感情を抱く現象。
(正) 誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くことをいう。
「臨床」と言う表現は判りにくいかと思いますが、要するに「監禁されている最中の心理を精神医学の立場から分析する」と言うことです。ともにWikipediaの日本語ページからの引用です。
演説シーンが好き。
実際にあった事件を元にしているため、どんでん返しや派手なシーンはないですが、当時の警官や権力への不信感が市民の反応からリアルに伝わってくる。社会派な作品です。
アッティカ刑務所の暴動はこの映画で初めて知りました。権力は正しく使われなければならないですね。
冒頭はコメディかと思うくらい計画倒れの銀行強盗から始まるのですが、警察に大げさなくらい包囲されてから緊迫感が増す。
ストックホルム症候群なのか、主人公ソニーの人柄ゆえにか、人質はリラックスした様子を見せたりするのですが、一歩間違えば恐ろしい事態になることもありうるのが怖い。
特にサルの終始不安定な様子が不安を煽ります。
アルパチーノ格好いいですね。演説で市民を煽るシーンが良かった。大きな目が印象に残ります。
実話
これから結婚する男女は、主人公ソニーの妻(女性の方)を見て、ああいうふうにならないようにお互いに気をつけた方がよいと思います。
ネットで視聴(英語字幕)
昔、「狼たちの午後」を映画館で見て、強烈な印象を受けたのだが、今見直してみても、非常に面白い。
追い詰められたアル・パチーノのコミカルで神経症的な孤軍奮闘と、ジョン・カザールの不気味な存在感は色褪せない。
「妻」登場のどんでん返しは、爆笑もの。
ただ、今回もっとも印象に残ったのは、実際の妻との電話での会話シーン。
これは凄い。
まだ結婚していない男性に言いたいのだが、実際は、ああいうもんなんです。
いつもとはいいませんがね。
結婚しようという女性も、あのシーンを見て、学んでもらいたい。
いくら境遇が変わっても、ああいうふうにならないように。
切に願いたい。
まあ、結婚が悪いわけではなく、貧乏が悪いんですが。
●映画の英語
非常に分かりやすい。
英語字幕で見ているのが気にならないほどでした。
アッティカ
銀行強盗に入ったはいいものの
人質達に無計画だの言われ、
終いには基本的に虫も殺せないようなソニーは
人質の為に医者や食事をさせる始末。
実際に起きた事件なだけあって
犯人・人質たちのリアルな心境を描いています。
奥さんも居ながらゲイの恋人まで居ること、
本人はさほど気にもしていない
たまたま口に出たであろう「アッティカ」に
野次馬に乗せられてしまうことから、
ソニーがいかに優柔不断または
何も考えていない流されやすい人物なのかがわかる。
若干コメディちっくながらアルパチーノの演技に引き込まれていく作品。
暴力で病んでるねアメリカ人って
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