「この映画をみた俺は、主人公に対して、「銀行強盗なんかしないで、まっ...」狼たちの午後 CBさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画をみた俺は、主人公に対して、「銀行強盗なんかしないで、まっ...
この映画をみた俺は、主人公に対して、「銀行強盗なんかしないで、まっとうに生きればいいのに」 と思う。事件が起きたのは1972年、俺が12歳のときだ。
銀行強盗はあっさり失敗し、銀行員たちを人質に籠城する破目に陥る。
実際に銀行強盗をすると言うソニーとサルにあこがれてついていくルイーズ。しかし序盤で 「もう戻れない」 とさめざめ泣くシーンは、「そんな程度の覚悟でついてったの?」 と驚きですらある。
籠城する破目になったとは言え、人質の銀行員たちとはなんだか仲良くなれるし、LGBTのパートナーの性転換手術の資金がほしいという動機がマスコミにウケて、なんだか人気も高まっているような気がするし、という映画。
冒頭からの、社会の2極化の描写。潤っている方は、プール、テニス、海水浴等で楽しく遊ぶ人々であり、貧しい方は、建設土木の現場、求人を求める長蛇の列。音楽いっさいなしの展開が、リアルを感じさせる。潤っている方の象徴が、彼らが襲う "銀行" ってわけですね。
ストーリーはぜひ観てほしいが、印象的なのは終盤の舞台となる飛行場。そこに、終始響き渡る旅客機のけたたましい発着音。仲良くなったように思っていた人質はみな当たり前のように去り、相棒を裏切り警察に投降する主人公の心の中が空っぽで、外の音ばかりが響いている、という描写に感じられて、アメリカンニューシネマを堪能できました。
おまけ
原題は 「dog day afternoon」、意味は夏真っ盛りの午後、だそうです。
「セルピコ」、「カッコーの巣の上で」、「」
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