ミリー
解説
「坊やはお休み」「人間の横道」のヘレン・トゥウェルヴトゥリーズが主演する映画で、「待ちかねる処女」の作者ドナルド・ヘンダーソン・クラーク作の小説に基づき、「夜の看護婦」「氷原の彼方」のチャールズ・ケニヨンが脚色して、ラルフ・マーフィーと共同して台詞を書き、「ミス・ダイナマイト」「無冠の帝王」のジョン・フランシス・ディロンが監督に当たり、「密林の王者」「夜毎来る女」のアーネスト・ホーラーが撮影したもの。助演者は「鉄壁の男」出演のロバート・エイムス、「女傑」のジェームズ・ホール、「街のをんな」のリリアン・タッシュマン、「お仰いましたわネ」のジョーン・ブロンデル、「恐怖の甲板」のジョン・ハリディ、「楽園の大河」のアニタ・ルイズ、「お蝶夫人」のエドモンド・プリーズ、「肉の蝋人形(1933)」のフランク・マクヒュー等である。
1931年製作/アメリカ
原題または英題:Millie
ストーリー
田舎育ちの美しい乙女ミリイは、ニューヨークの富豪の息子で大学生のジャック・メイトランドと結婚して、ニューヨークの彼の邸に幸福な生活を送っていた。結婚そして赤ん坊、彼女も自分の夫が他の女とゴタゴタを起こしている最中、そんな事など露知らずに可愛い女の子を生み落とした。その後ミリイは、友達のアンヂイやヘレンと一緒に酒場に行って、そこで夫が他の女と踊っているのを見た。次にくるものは離婚だ。彼女の子供は義母の手に預けられ、自分はもう再び結婚はすまいと思いながらも、一人寂しく生活の道を立てて行かねばならなかった。しかしそうしているうちに、ミリイはトミイという若い新聞記者と恋に落ち同棲するが、これもわずか2年にして破れてしまった。ミリイの娘も今では1人前の娘に成長し、母親より美しい娘となっていた。誘惑の魔手は多い。ミリイの友達で富裕なジミイ・デミアがその1人だった。しかし彼が甘言をもってその娘を寂しい田舎の邸に連れ込んだ時、それを知ったミリイは気が触れたようにそこへ駆け付けて、逆上のあまりデミアを射ち殺してしまった。裁判だ。だが渡る世間に鬼はない。トミイや新聞記者達や、物の分かった検事の助力によって無罪の判決が言い渡された。最愛の娘を伴って裁判所を出て行くミリイの後ろ姿には苦しみ抜いた母親の安堵の色がアリアリと窺われるのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョン・フランシス・ディロン
- 脚色
- チャールズ・ケニヨン
- 原作
- ドナルド・ヘンダーソン・クラーク
- 台詞
- チャールズ・ケニヨン
- ラルフ・マーフィ
- 撮影
- アーネスト・ホーラー