緑の牧場

解説

アメリカの劇壇に於いて作家としても演出家としても一流と目せられるマーク・コネリーの代表作として、大当たり劇として有名な同名の戯曲の映画化である。原作者自ら脚色には「科学者の道」「風雲児アドヴァース」のシェリダン・ギブニーと、監督に「大森林」「弾丸か投票か」のウィリアム・ケイリーと協力し、「真夏の夜の夢」「海賊ブラッド」のハル・モーアが撮影した。出演者は全部黒人俳優で、主要なる役を勤めるのはレックス・イングラム、オスカー・ボルク、エディ・ロチェスター・アンダーソン、フランク・ウィルソン、ジョージ・リード等である。合唱は舞台初演の時と同じくホール・ジョンスンが編曲指揮し、彼の合唱団が出演している。

1936年製作/93分/アメリカ
原題または英題:The Green Pastures

ストーリー

ルイジアナ州の小さな田舎町の黒人日曜学校で、教師と生徒の間に聖書の問答が始まった。幼い生徒たちはこの世界が作られる前の天国の模様を質問する。天国の陽当たりの良い森で天使たちが野遊びをしている時、天使ガブリエルが現れて主エホバがお越しになると告げる。主はフロック・コートを着た背の高い白髪の老人である。主は温顔に微笑を湛えながら天使の差し出す1本10セントの安葉巻を受け取って野遊びの仲間入りをする。やがて主は皆に奇蹟を示そうと言って、地球を創造する。そこは住み良さそうな土地なので主はアダムとイヴを創って住まわせることにした。それから数百年後主が地上へ降りてみると、人間は堕落し賭博や殺傷や諸々の罪が到る所にはびこっていた。正しい人間はノアの一家族だけである。そこで主は人間共に天罰を下そうと、ノアに命じて箱船を造らせ、それにあらゆる動物を1つがいづつと植物の種子や苗を積ませ、40日間雨を降り続けさせ大洪水を起こして他の人間共をことごとく滅ぼしてしまった。主はノアの一族に命じて何もかも新規まき直しをさせた後天国に戻った。それから又数百年を経て主が地上を訪れたのはモーゼの時代であった。主はエジプトでファラオに苦しめられているイスラエル人を救い出させるため、モーゼと兄のアーロンに魔術の力を与えた。2人はイスラエル人を救ってカナンの地を目指して長い困難な旅を続け、モーゼは眼前に約束の地を眺めながら死んで行く。更に数百年を経た時バビロンその他の市民の堕落で地上は又も犯罪に満ちたので、主は再び地上を訪れバビロン人の乱行に激怒して永遠に人類を亡してしまおうとするが、その時武将ヘズレルから、主は慈悲の神たるべきである。今一度罪の子等を許し給えと言われ、思い直してジェリコの戦いにヘズレルの軍隊に勝利を与え給うた。そして天国へ戻った主は地上を見て十字架を背負ったキリストが山上へ追われる様をみて、神さえも苦しまなければならぬことを知り、以来人間に対して愛と憐みを抱くようになる。日曜学校の物語はここで終わり、牧師デシー師は帰って行く子供たちに優しい微笑を送るのであった。

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