幻の旋律

解説

モンロー氏最後のユ社映画で、亦恐くはこの映画によって当分氏の出演劇には接せない事になろう。イタリアを背景にし恋と復讐の珍らしい劇筋で、予てユ社映画で御馴染みのダグラス・ジェラード氏の監督である。

1920年製作/アメリカ
原題または英題:The Phantom Melody

ストーリー

イタリアの貴族モントローネ伯は英国のドレーク従男爵の娘メリーを深く慕っているが、娘と余りに年が違うので伯爵は熱い思を胸に秘め、敢て打ち明ける事が出来なかった。伯はメリーは自分の従弟ジオルゲット・ピザーニを想うていると誤解しているが、ジオルゲットはただ娘の莫大な財産に心引かれているに過ぎない。世界戦争が始まった時伯爵は進んで従軍するが、卑怯にもジオルゲットはモン・カルロに身を隠し、メリーの兄オリヴァーを身代わりとして従軍させた。金に困って彼はモントローネ家へ忍び帰り家重代の宝玉を持ち去る。丁度休暇で帰宅していた伯爵は嵐の夜雷に打たれて一時仮死の状態に陥った。ジオルゲットは伯爵の息はまだ有る事を知りつつも、伯の身體を家の墓窖へ埋めて終ったが、程経て息吹き返した伯爵は必死の努力で窖を抜け出し、今は伯爵家の主人となりメリーに近づいている不信の従弟に対し復讐を誓う。激しき生死の境に苦んだ為伯の頭髪は一夜の中に白色に変っていたので身分を包み予て手練のヴァイオリンに身を託し幻の奏でるメロディーによって復讐の目的を達し、乙女の愛をも克ち得たのであった。

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