魔の航空路
解説
「ホノルル航空隊」「銀翼の戦慄」のウィリアム・ガーガンと「国際探偵X9号」「世界航空戦」のジーン・ロジャースが主演する映画で、ヴァーン・ホワイトとヘッドの原作をジェローム・カルースが監督し、「夜の鍵」のジョージ・ロビンソンが撮影した。助演者はディック・パーセル、ホバート・カヴァナ、マイケル・フィッツモーリス等である。
1937年製作/アメリカ
原題または英題:Reported Missing
ストーリー
スチーヴ・ブラウニングは濃霧や視野不良のために起こる飛行機の墜落を予防する装置の発明に没頭し、既に自家用機で実験の結果は成績良好であった。この装置を大型の旅客機で実験することになり、友人ジャックの操縦する機体に秘密裡に取り付けた。ところがこの企ては金持ちの青年飛行家であるポールとジャックの妹であるスチーヴの恋人ジーンに知れてしまった。ジャックは旅客機を操縦して出発し、空中から一同無事の通信を送ったまま消息は絶え、機は行方不明になってしまった。それから二日後、熱心な捜査を続けたスチーヴは該機が目的地付近の山腹に墜落大破し、乗客は全部死体となっているのを発見した。各新聞は競ってスチーヴの発明熱が多くの人命を犠牲にしたと非難したが、スチーヴは原因を詳細に調べて、惨事の原因は装置にあるのではなく操縦者にあると声明した。これがためジーンは兄を非難するスチーヴとの婚約を破棄するに至った。失望の淵に陥ったスチーヴは親友ポールにその発明権を譲り渡し、独り悶々と苦悩を続けていた。その後一週間にして又もや一機が墜落したが、再度の惨事で一致することは、乗客全部の所持品が盗まれていることだった。しかも今度は十万ドルの巨額な証券が紛失しているのである。スチーヴは犯人が彼の友人の間にあると睨み、一策を案じて、最初の惨事の時に飛行機のハンドルから怪しい指紋を得たので至急ワシントンの官憲に届けると発表し、新聞記者マーティンやスチール、ジーン等を乗せて飛行機で出発した。果して途中でパラシュートを見にまとった一怪漢が現れピストルを向けて恐喝し、指紋を入れた包みを奪い身を踊らせて飛行機から飛び降りようとした。飛び付いたスチーヴは怪漢の覆面を取ると、意外にもそれは親友と信じていたポールであった。ポールは機から飛び降りる時ピストルで撃たれ、パラシュートはついに開かず惨死を遂げた。これによって今までの怪事件の謎も解け、スチーヴとジーンは昔の楽しい日を取り戻すことが出来た。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ミルトン・カルース
- 脚色
- ジェローム・チョドロフ
- ジョセフ・フィールズ
- 原作
- ヴァーン・ホワイトヘッド
- 撮影
- ジョージ・ロビンソン