劇場公開日 2014年1月25日

「美女への執着心」マーニー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5美女への執着心

2013年11月5日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

幼い頃のトラウマで赤色を極端に怖がり、盗癖のある女性マーニー。そんな彼女を雇い入れた会社社長マークは彼女と結婚、トラウマを治そうとする…。

アルフレッド・ヒッチコックの1964年の作品。
ヒッチコックの作品の中では「めまい」の系統に位置する。
ヒロインの異常心理とスリリングなラブストーリーを描いた異色作。
異常行動を取るヒロインのトラウマの原因は、母。その母との愛憎とも言える関係も話の軸になる。

ヒロインが赤色を目にした時、画面いっぱい赤色のフラッシュバックの演出が施される。ヒロインでなくとも赤色に対して異様なインパクトを受け付けられる。

マークに扮するは、ショーン・コネリー。ヒッチコックとコネリーの組み合わせは何だか新鮮。
マーニーに扮するは、ティッピー・ヘドレン。「鳥」に続いてのヒッチコック作品で、トラウマと向き合うクライマックスは迫真の演技。その後のヒッチコックとの確執は有名な話。
脇役ながら、マークの義妹リルに扮するダイアン・ベイカーはヒッチコック作品にしては珍しい黒髪美女。クールな悪女風の役柄が堪らん!(笑)

ヒロインの心理に迫った演出は何処となくねちっこく、ヒッチコックの美女への異常な執着心を否が応でも感じてしまう。
本作もまた、「めまい」同様、ヒッチコックの嗜好が表された作品。

近大