マーニーのレビュー・感想・評価
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ヒッチコック転落のきっかけとも言われる迷作
「サイコ」に続き「鳥」でセンセーションを吹き荒らしたヒッチコックだが、この「マーニー」から調子が狂いだしたと見る向きも多い。ヒロインが巧みにオフィスの金庫からごっそりとお宝を頂戴する姿は女泥棒のようでかっこいいのだが、しかしその犯罪を全てショーン・コネリー演じる男がお見通しだったというあたりから話が急激にまどろっこしくなっていく。そしてヒッチコックの男尊女卑的な価値観も見え隠れして、どのように受け止めるべきか戸惑うところである。「赤」が潜在意識に刺激を与える演出はさすがで、他には真似できないヒッチ的な狂気がたまらないのだが。
もともと本作はモナコ王妃となったグレース・ケリーの女優復帰作として用意されたものだったとか。しかしモナコが国家危機を迎え、彼女がそれの対応へと専念したことから出演が叶わなくなってしまう。どこかボタンを掛け違えたような作りはそういうところに原因があるのかもしれない。
眠かった。 見たぞ! 主演の俳優さんに翻弄された。但し、この映画で...
眠かった。
見たぞ!
主演の俳優さんに翻弄された。但し、この映画ではなくて『鳥』我が家に初めての登場したカラーTVと言う物で見た。小学校4年か5 年の事である。
最初に目が往くのが髪金だろうが、僕は緑色のドレスが目に焼き付いた。鳥と同じ色をしていると思った。
この映画でも緑のドレスを着る場面が出て来た。初めて見たと思うが、初見の様な気がしなかった。
ヒッチのサイコサスペンス
半分ヒッチ見たさ、半分コネリー追悼で視聴。
気になった点
ヘドレンが映る時の画質
母親が階段降りる時の影
フィラデルフィアに着く列車がマルーンでまるで阪急梅田駅到着みたい
金庫破って逃げる時のポケットから靴が落ちるシーン
007映画かと見まごうコネリーの胸毛
マーニーの母親は知りすぎていた男に出てなかったかな?
リルが素敵
彼女はマークの義妹であり、ラトランド家で居候中。マークの妻は若くして亡くなっていた。マークがマーニーと結婚すると宣言したときも、嫉妬心と喜びが入り混じったような表情がとてもいい。祝福のキスだってマークの口にぶちゅーっとやってた・・・うらやましいぞ、007。そんなリルであっても、マーニーの秘密をしってからは嫉妬心が打ち勝ったのか、以前に被害に遭ったコンサルタント会社社長をパーティに呼んでしまったりするのだ・・・彼女も小悪魔だったのね。
名前も変え、髪の色も変え、社会保障番号だって偽造しちゃう、かなり計画的な犯罪を繰り返していたマーニーだったが、稲妻と赤い色に対して極度に拒絶反応を示す。結婚しても体を許さない男性拒否症だったのだ。盗癖も嘘も病気であることだって全て愛そうとしたマーク。やがて原因が幼い頃のトラウマにあると読んだ彼は探偵を雇い、彼女の過去を探らせる。
貧しさと富豪の比較なんて目で見ると、まったく物足りない。金持ちは金持ちなりに人格者であることも描いているところがつまらない。しかも売春婦の娘と結婚し、盗みもすべて赦そうとする寛容さ。被害者に対しては謝罪、弁償、被害届の取下げを頼もうとするのだから・・・社会観から突き詰めてゆくと、ほんとにつまらないのだけれど、幼少時のトラウマといった点では興味深い映画。現代のDVを扱った作品のさきがけといえるか。ただ、女がもっと魅力的だったら、寛容になれるかもなぁ(笑)。
お洒落なサスペンスものだと思い観始めましたが
母親との会話で生じる不穏な空気、盗みを重ね、愛される事を拒絶し、時に精神の不安定さを垣間見せるマーニー。そんな彼女とマーク(ショーン・コネリー)との関係性がどうなって行くのか気になりつつ鑑賞。
マークのような愛し方、なかなか真似出来ないかも。
ラストのマーニーの表情に救われました。
感情移入が難しい作品でした。
NHK - BSを録画にて鑑賞
マーニーに幸あれ!
過去の経験によるトラウマで犯罪を犯してしまう彼女
リアルな社会でも生まれながらの悪党はいないのではないでしょうか
甘いかな
人が人を裁くのってとても難しい
過去を無視して裁くのならさほど難しいこともないと思うのですが過去の経験も考慮するとそこが難しい
そして被害者の気持ちもある
報道では上っ面だけで「こんな事件がありました」で
ワイドショーなどは個々で好き勝手なことを世間に垂れ流し流れで見ている人は鵜呑みにして「アンタが悪い奴」と決め付けているように思えてなりません
結果は数年後になったりするのでもう視聴者な知らぬ顔
被害者の気持ちもありますが加害者の側もある意味被害者の時だってあるのでは
戦争は悪いことだけど犯罪ではないなんてどうしたって矛盾過ぎる
そりゃ〜チャップリンだって言いたくなるでしょ
好きになってしまった相手に問題がありこちらが何とか出来るのならどうにかしたい
惚れられるより惚れた方が何倍も力が出るでしょ
助け方はそれぞれだけど心底惚れたら見返りはいらなくなるんですよね
とにかく幸せになってくれたらそれでいい
もうそうなったら自分のことはどうでも良くなっちゃう
少しでも笑顔が見れたらそれだけで幸せで幸せで身震いするほどです
歳をとるとなかなかそんな事もなくなっちゃうんだね〜
あまり多くてもそれはそれで何だかな〜ですけどね
マーニーに幸あれ!
けっこうよかった
『グレース・オブ・モナコ』でこの映画について触れていて、女王様のグレース・ケリーに振るにはとんでもない役で驚く。泥棒で嘘つきでセックス恐怖症で美女、最悪な性格でやらせてもくれない女で、潔癖であるところだけは童貞の妄想みたい。そんなヤバい女を富豪でイケメンのショーン・コネリーが愛してくれるので、世界の精神を病んだ女性たちにもそんな男性が現れてくれたらいいのにな。
マーニーが精神を病む理由がとんでもなく恐ろしいので、それなら仕方がないと同情する。
やはりヒッチコックは面白い。 盗癖を持つ謎の美女マーニー。それが分...
やはりヒッチコックは面白い。
盗癖を持つ謎の美女マーニー。それが分かっていながら彼女を愛す男。
赤への恐怖。男への嫌悪。徐々に暴かれていくマーニーの秘密に目が離せません。
マーニーを演じるティッピ・ヘドレン、ヒッチコックに迫られセクハラされまくりだった模様。巨匠、人間的にはヤバかったのか、なんとなく理解できる気がする(笑)
decency
Hitchcockが黒髪のヒロインを撮るなんて珍しい…と思ったら、やっぱり。
偽名と髪色を使い分けながら、職を得る度に会社の金庫から大金を持ち逃げするMarnie。
彼女が素の自分に戻れるのは愛馬に乗って草原を駆け抜ける時だけ。
美人は就職に有利だけど、良くも悪くも何かと人の記憶に残ってしまいます。
しかも大の男嫌いなのに、その美貌から男が寄って来てしまうというジレンマ。
窃盗を決行して辞めるタイミングが、毎回男にしつこく迫られて我慢の限界が来る時だったのか、そこは少し分かりにくいのですが、とにかく仕事が続かないようです。
動物の生態を研究するのが趣味である社長Markに弱味を握られ、無理矢理結婚させられることで彼女の生活が大きく変わります。
選択肢は、逮捕か結婚かって…。
相手がSean Conneryなら、一瞬も迷うことなく、女性は100%後者を選ぶと思いますけど(^_^;)。
服役と結婚生活が比較対象になるのも、相性次第では分からなくもない?(爆)
それだけMarnieが病的に男性を毛嫌いしていること、稲妻や赤色に只ならぬ反応を示すことに強い関心を持ったMarkの眼差しはまるで、かつて飼い慣らしたという野生の山猫を辛抱強く見つめるようであると同時に、何とかして手懐けて我が物にしたいという男性の征服欲でギラついているようでもありました。寝室という名の戦場で繰り広げられるMarkとMarnieの攻防やキスシーンは、普通なら美男美女の見目麗しい恋愛になりそうなものを、Hedrenに対する監督の執念によって、微動だにしない美しい人形を操るようで、相当変態的?な演出になっている気がしました。監督の目線がMarkそのものになっています(^_^;)。
幼少期のトラウマが原因と突き止め、Marnieの更生のため、ひと肌もふた肌も脱ぐMark。会社の起死回生のためなら非情な決断も辞さない彼が、Marnieのためには湯水の如く金を注ぎ込む。前妻は29歳で亡くなっているし、彼も青髭みたいに病的なら面白い!と思って観ていましたが、執着心と紙一重のような深い愛情と保護本能を持つ、ハンサムなお金持ちということで、非の打ち所が全くない。これだけこじれていても美女は得だな〜、Marnie羨ましいぞ!!
嫉妬深い義妹Lilは、こういう小姑がいたら面倒臭そう〜っていう典型的な性格なのですが、そもそもMarnieが嫌々結婚しているので、対決にならない所がちょっと滑稽です。途中から、実は一番マトモなのか?と思えて来ましたが、目つきが鋭いのに口元は笑っているので、猛烈きついペコちゃんみたいでした。
途中まではさすがサスペンスフルで面白く、想像通りの種明かしでもガッカリはしないのですが、母親の心理がやや矛盾している気がしました。娘を精神的に虐めて来た理由…脚を悪くし、娘の罪を被ることになったあのおぞましき一夜を思い出すから、だとか、セーター欲しさに身篭ったけれど逃げられた悔しさを思い出すから、とか、どんどん成長する娘を見て、昔の堕落した ”indecent” な自分を思い出すから、とか、色々察することは出来ますが、最後はいかに娘を愛しているかだけが語られます。それだけ愛は複雑なのだと言ってしまえばそれまでですが、決して手放したくない、更生のきっかけになるほどの大切な愛娘として育てたなら、Marnieが母の愛欲しさにあそこまで罪を重ねることはなかったように思うのです。暗闇でドアに立つお母さん、怖すぎ(^^;)。
監督、本作ではカメオというより見逃しようのないくらいバッチリ出ています(^^)。
ステキな王子様が苦境の美女を救うという、意外と王道な話ですが、監督のストーカー気質?がねちっこい演出に垣間見えるという点で、一線を画す作品でした。
ヒッチコックの変態映画の方で傑作になり損ねた残念映画。でもハラハラさせる演出力は健在です。
画面一杯にヌッと現れるショーン・コネリーのアップは、今にも✖️✖️✖️に挿入されるぺ○スの比喩だとか…確かに…
ヒッチコックファンとしては残念な作品
映画の物語としては色々と突っ込みどころ満載
ヒッチコックにしてはどうなのかと、彼はこれで満足なのかと疑問を感じてしまう
大成功しためまい、サイコの路線でもう一本の意欲が空回りした感がある
要はティッピ・ヘドレンでそれを撮りたい
007で当代一の二枚目に踊り出たショーン・コネリーを相手役にして何が何でも大成功させる
それが映画に滲み出ている
ティッピ・ヘドレンは美しい
というより美しく撮りたいずっと撮っていたい
その妄執がヒッチコックをしてこのような映画を撮らせてしまったように思う
ショーン・コネリーの演技はさすがに油が乗っている絶好調の時期だけに、彼の演技で救われていると言ってよい
カメラもものすごい神経の行き届いた目の覚めるような冒頭のショットなど素晴らしい映像と凡庸な映像との差が激しい
ヒッチコックの集中力が全編に渡って続いていないと感じ取れてしまうのだ
ファンとしては残念な作品だ
とはいえつまらない作品では全くない
全体としては素晴らしい作品と言うべきなのだろう
ヒッチコック映画の音楽の代名詞だったバーナード・ハーマンは本作が最後の作品となる
過去のトラウマから抜け出せない主人公
主演のティッピ・ヘドレンの演技が作品にリアリティを生み、いつの間にか目が離せなくなっていました。
辛い過去がある主人公を助けるためにショーン・コネリー演じる大富豪の社長が奮闘する姿にも共感を覚えます。徐々に明らかとなる真実と、2人の恋愛物語が交差しながら迎えるクライマックスは驚きと感動に溢れています。
美女への執着心
幼い頃のトラウマで赤色を極端に怖がり、盗癖のある女性マーニー。そんな彼女を雇い入れた会社社長マークは彼女と結婚、トラウマを治そうとする…。
アルフレッド・ヒッチコックの1964年の作品。
ヒッチコックの作品の中では「めまい」の系統に位置する。
ヒロインの異常心理とスリリングなラブストーリーを描いた異色作。
異常行動を取るヒロインのトラウマの原因は、母。その母との愛憎とも言える関係も話の軸になる。
ヒロインが赤色を目にした時、画面いっぱい赤色のフラッシュバックの演出が施される。ヒロインでなくとも赤色に対して異様なインパクトを受け付けられる。
マークに扮するは、ショーン・コネリー。ヒッチコックとコネリーの組み合わせは何だか新鮮。
マーニーに扮するは、ティッピー・ヘドレン。「鳥」に続いてのヒッチコック作品で、トラウマと向き合うクライマックスは迫真の演技。その後のヒッチコックとの確執は有名な話。
脇役ながら、マークの義妹リルに扮するダイアン・ベイカーはヒッチコック作品にしては珍しい黒髪美女。クールな悪女風の役柄が堪らん!(笑)
ヒロインの心理に迫った演出は何処となくねちっこく、ヒッチコックの美女への異常な執着心を否が応でも感じてしまう。
本作もまた、「めまい」同様、ヒッチコックの嗜好が表された作品。
過去のトラウマの心理治療
総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 75
演出: 65
ビジュアル: 65
音楽: 65
最初は金庫破りを繰り返す女の犯罪物かと思ったが、実際は彼女の過去のトラウマを探るという話。犯罪物というよりも、犯罪のからんだ心理治療の話である。
コネリーは非常に辛抱強い。何故にここまでとも思うが、その忍耐がなければ彼女のトラウマには迫れない。前の会社のときから彼女のことが気になって愛情を感じていたのだろう。
そしてヘドレンが何故そこまで母親に対して愛情を望むのか、金庫破りまでして母親に貢ごうとするのかという映画の冒頭の疑問が解き明かされる。その他にも彼女の性格に破綻があるのはすぐに見抜かれ、それが追求されていくというのが趣旨。映画の中で起こる犯罪にあまり意味はなく、過去に起こったことが重要になる。
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