「最高だ」暴力脱獄 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
最高だ
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ポール・ニューマンがタフで不敵な笑顔が魅力的だった。そんな彼が2回の脱獄の後ひどい仕打ちにあって、卑屈なヘラヘラ笑いを浮かべるようになってしまったのはとても応えた。ところが、ひょうひょうと車を運転して軽々と脱獄してしまうのはすごくびっくりした。
何回脱獄しても、服を早くなんとかしろよと思っていたのだが、とうとう最後まで着替えることをしなかった。
年老いたお母さんが、刑務所を訪ねて来た時、寝台のあるキャンピングカーみたいな豪華な車かと思ったら、去っていく場面でピックアップトラックの荷台にベッドをおいていただけで、切なかった。
「根性だけではどうにもならない」「お前には根性もない」と囚人仲間が口論するところが面白かった。タフでありたい、でもタフなだけでもどうにもならないというのが人生や世界の厳しいところだ。
(追記)
ポールニューマン特集2本目。ずっと昔に町山智浩さんが激推ししていてDVDレンタルで見たっきりだと思っていたら2015年にも見ている。おそらく3回目で、初めてのスクリーンだ。2回脱獄した後に、グラサンの看守の舎弟みたいになってこびへつらってヒョコヒョコ歩いている様子が本当に悲しかったのだけど、それが作戦のうちだったとは驚いた。それにしても意地を張るのもほどほどにしておいた方がいいとは思うのだけど、そんな意地っ張りな主人公が最高だ。
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