坊やが盗まれた
解説
「ゆりかごの唄」に次ぐドロテア・ヴィーク第2回主演映画で、ルパート・ヒューズが書き下ろしたストーリーを、「自由の魂」の原作者アデラ・ロジャース・セント・ジョンが脚色し、ジェーン・スロームが撮影台本を作り、「ブルースを唄う女」「419号室の女」の共同監督アレクサンダー・ホールが単独監督にあたり、「荒浪越えて」「裸一貫(1931)」のアルフレッド・ギルクスが撮影したもの。「紐育・ハリウッド」の出演している返り咲きのアリス・プラディーが共演し、「坊やはお休み」「ブルースを唄う女」のベビイ・レロイ、「ママはパパが好き」「心の青空」のジョージ・バービア、「海の密室」「暴風の処女」のジャック・ラルー、アワ・ギャング喜劇のスター、スパンキー・マクファーランド、「母」のアラン・ヘール「荒浪越えて」のウィリアム・フローリイ等助演。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:Miss Fane's Baby Is Stolen
ストーリー
映画女優のマドリン・フェインは、ある夜突然大事なマイケル坊やを何者かに奪われてしまった。狂気のようになった彼女は百方手を尽くして、マイケルの行方を探したが、ある日、誘拐者から手紙が来て、もし警察に手を引かせて身代金を提出するなれば子供を返してやると言ってきた。この手紙を見た彼女は暁闇を衝いて指定の場所までいったが、ふとしたことから、も少しという所でその機を逃し、誘拐者の一行はそのままマイケルを連れて再び砂漠のなかの彼らの隠れ家に引き返してしまった。彼らの隠れ家を近くにプレンティス夫妻が子供たちと住んでいた。妻のモリイはフェイン嬢のファンで以前彼女の写真にサインをしてもらったことなどあったが、彼女は自分の近所の荒家に煙が昇っているのを不思議に思ってそこを訪れてみた。そして、モリイは皮膚や髪の毛を染められて別人の用になったマイケルを見た。モリイはフェイン嬢の坊やが盗まれたのを聞き知っていたし、この家のなかの様子が何となく変なのに疑いをもち初め、再度彼らの隠れ家を訪れてこっそり調べた結果、その子がフェイン嬢の坊やマイケルであることを確かめた。そこで、モリイは種々と苦心して、マイケルを盗み出し、ボロ自動車にのせて逃げ出した。それを知った悪漢共はすぐその後を追いかけ、猛烈な競争が始まった。危ない所でモリイはようやく国道にでて警官の助力を得て、無事にマイケルをフェイン嬢のもとに届けることができた。斯くて、フェイン嬢はモリイにお礼の印として相当な金を提供して彼女の生活を保証することとなり、フェイン嬢には再び愛児との幸福な生活が戻って来たのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アレクサンダー・ホール
- 脚色
- アデラ・ロジャース・セント・ジョン
- 原作
- ルパート・ヒューズ
- 台詞
- ジェーン・ストーム
- 製作
- ベイヤード・ヴェイラー
- 撮影
- アルフレッド・ギルクス