ホワイト・シスター(1933)
解説
「戦場よさらば」「マデロンの悲劇」のヘレン・ヘイズと「自由の魂」「スザン・レノックス」のクラーク・ゲーブルが主演する映画で、F・マリオン・クロフォード作の小説とそれに基づくウォルター・ハケット作の舞台劇に拠って「心を汚されし女」のドナルド・オグデン・スチュアートが脚色し、「紅塵」「ダグラスの世界一周」のヴィクター・フレミングが監督に当たり、「お気に召すまま(1932)」「摩天楼の狼」のウィリアム・ダニエルスが撮影した。助演者は「男子戦わざる可らず」「散り行く花」のルイス・ストーン、「戦慄街」のエドワード・アーノルド、「男子戦わざる可らず」のメイ・ロブソン、「散り行く花」のルイズ・クロッサ・ヘイル、アラン・エドワーズ等である。
1933年製作/アメリカ
原題または英題:The White Sister
ストーリー
キャロモンテ公の娘アンジェラは厳格な教育を受け、世間から絶縁の生活を送って来たので世の事情などは何も知らなかった。彼女は母親の粗暴な性質を受けているので、これが父と家庭教師の悩みの種だった。彼女とある富豪との間に結婚の話が持ち上がっていた頃、アンジェラはイタリア陸軍中尉ジョヴァニ・セヴェリと会った。彼の豪快、さっ爽たる風貌に接して以来、彼女はジョヴァニを慕い、町の祭りの機会に逢ったりしていた。アンジェラの結婚式の前夜ジョヴァニは彼女たちの会合の席に乗り込んで来て、彼女が件の富豪と結婚する事に反対を声明し、彼女との面会を強要した。二人の仲を初めて知ったキャロモン公の怒は激しかった。ジョヴァニは翌日再来する旨を告げて去った。公はアンジェラに彼女の母が自殺を企てたのもこのような事件のためであるからと説き伏せて、彼との仲を断たせようとした。アンジェラはジョヴァニを兵舎に訪れて帰途、二人の会合を妨げようとした父の自動車と衝突し、それが原因で公は死亡した。彼女は深く自責を感じ、邸宅を売り払い、債務を処理して後、ささやかな家に居を移した。出征することになったジョヴァニは別れの挨拶に彼女を訪れた。その後、飛行隊所属のジョヴァニが戦死したとの報があった。彼の凱旋を待って結婚するのを楽しみにしていたアンジェラは烈しく驚愕して失神した。戦死を伝えられたジョヴァニは敵地に不時着を余儀なくされオーストリア軍に捕らえられたのであったが、それとは知らぬアンジェラは尼僧として生涯を送ろうと決意し、ついにキリストの花嫁たるべき誓いを立てた。無事に帰国したジョヴァニは直ちに彼女を訪れて修道院を出るように勧めたが、すでに誓いを立てた今日、彼の熱情も動かし得なかった。ジョヴァニはしょう然彼女と別れて去ったが、敵機が来襲したとの報に接した彼は、 アンジェラ等が神に仕える修道院を護るべく、勇ましく機上の人となった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビクター・フレミング
- 脚色
- ドナルド・オグデン・スチュワート
- 原作
- F・マリオン・クローフォード
- ウォルター・ハケット
- 撮影
- ウィリアム・H・ダニエルズ
- 作曲
- ハーバート・ストサート