幌馬車時代
解説
「鉄腕名騎士」「荒野の叫び」と同じくアラン・ジェームズ監督、ケン・メイナード主演、テッド・マッコード撮影になる西部劇でネイト・ガツァートが脚本を書き下ろした。相手役は独立プロダクション等の西部劇に出演していたドロシー・ディックスが勤め、ファイロ・マッカロー、フランク・ライス、ジェイ・ウィルシー、エドワード・コクソン等が助演している。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:Wheels of Destiny
ストーリー
1848年カリフォルニアに金が発見されたとき、金鉱を堀当てた幸運児の1ニンビルは、ひと先づ中西部の故郷の街へ引き返し幌馬車隊を引率してカリフォルニアへ移住することにした。準備整っていよいよ出発の前夜、ビルは街は連れは幌馬車隊を集合して前途の無事を祈るのであった。腹黒いロッキーはビルの金鉱を横取りする考えで一行に加わることとし、祈祷に際して乾児数名を這わしてビルのホテルを襲わせ、金鉱の所在を書いてある地図を手にいれようとした。ビルの父親やビルのイモウトメリーはその時ホテルにいたので懸命に悪漢共の乱入を防いだ。その時折良くも快男児ケン・マニングが弟分のビンフイールと一緒に町へやってきた。助けを呼ぶ声を聞き付けたケンは扉を破って乱入せんと試みている悪漢共を、名射撃手の誉れを得ている拳銃で威嚇して追っ払ってしまった。無事に救われたメリーの顔を見て、ケンは彼女が昔の相棒ビルが常に懐中から話さないでいたその妹の写真と生き写しであることを見てとった。急を聞いて駆け戻ったビルは旧友ケンに妹が救われたので大喜びしてケンとメリーとを紹介するのだった。かくてケンも一行に加わって幌馬車隊は黄金の国カルフォルニアを目指して出発した。ケンはインディアンの酋長に、野牛を捕獲または殺戮しないから幌馬車隊に危害を加えないで通過させること、を誓約していた。ロッキーはそれを知るや故意に野牛を殺して、インディアンが襲撃して来るのを待ち構えた。ロッキーは一行が防戦に懸命になっている隙に、ビルの金鉱地図を盗み脱走しようという企みだった。しかしケンの勇気と明敏は良くインディアンの襲撃に善拠して、誤解をとき幌馬車隊を無事に通過させることができた。一方事破れたロッキーは天の裁きで非業の最後をとげてしまった。かくてケンはメリーを抱いて西へ西へと幌馬車隊を導いていくのであった。