北海の果て

劇場公開日:

解説

「ジャイアンツ」の原作者エドナ・ファーバー女史の、アラスカの歴史を描いた大ロマンの映画化。「カルメン(1954)」のハリー・クライナーが脚色し、「都会のジャングル」のビンセント・シァーマンが監督した。撮影はジョゼフ・ビロック、音楽はマッス・スタイナー。出演は「にがい勝利」のリチャード・バートン、「征服されざる西部」のロバート・ライアン、「聖なる漁夫」のマーサ・ハイヤーのほか、キャロリン・ジョーンズ、カール・スウェンソン、ジム・バッカス、ドーカス・ブロワーら。製作ヘンリー・ブランク。

1960年製作/アメリカ
原題:Ice Palace
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1960年11月9日

ストーリー

第一次大戦終了後、ゼブ・ケネディ(リチャード・バートン)は職がないままアラスカへと流れ、そこで漁師ソア・ストーム(ロバート・ライアン)に救われた。ソアハアラスカ生れでその土地を深く愛しており、ブリデイ・バランタイン(キャロリン・ジョーンズ)と婚約していた。ゼブはこの街に缶詰工場を開くことをソアにすすめ、2人は協力して資金調達に奔走した。ゼブは金策のためシアトルへ発つ晩、ブリデイと関係を持った。シアトルでの金策はうまくいかなかった。戦友のデーブはドロシー・ウェント(マーサ・ハイヤー)と結婚すれば金の問題は解決すると知恵をつけた。ゼブはドロシーが自分を愛していると気づいていなかったが、早速デーブの言葉に従った。ゼブは花嫁を連れてバラノフ村に帰った。それをみたブリデイは気絶した。ブリデイから事情を聞いたソアは1人淋しく奥地へ入った。そしてイヌイットの娘ウナ(ドーカス・ブロワー)と結婚したが、ウナは男の子を生むと同時に亡くなった。それから15年――ゼブはケネディ財閥の帝王になっていた。漁師出のソアは彼の冷酷なやり方に対して戦った。ソアも今はアラスカの議員になっておりアラスカの州昇格運動の指導者であった。ゼブの娘グレース(シャーリー・ナイト)とソアの息子クリストファー(スティーブ・ハリス)は親同士の反目をよそに馳け落ちした。ドロシーは心配の余りゼブと激しく争い心臓麻痺で亡くなった。イヌイット集落で生活していたクリストファーは、グレースの出産が近づいた時バラノフ村に帰る決心をした。息子夫婦がやってくることを知ったソアは犬そりで、ゼブは自家用機で途中まで迎えに出た。グレースとクリストファーは大きな熊に襲われた。2人は死んだが子供は助かった。それから20年――美しい娘になったクリスチン・ストーム(ダイアン・マクベイン)は2人の祖父ゼブとソアの家を行ったり来たりして暮らしていた。しかし2人は相変わらず憎みあっていた。ゼブはアラスカが州に昇格すると今までに築いた財産にヒビがはいるためソアの州昇格運動に反対した。ソアは会議のためワシントンへ飛んだが途中嵐にあって連絡は途絶えた。クリスチンとブリデイはゼブに救援を頼んだ。ブリデイの頼みにゼブは自家用機で捜索に出発、そしてソアを助けて来た。その年の夏、アラスカはアメリカの49番目の州になり、ソアは知事に選ばれた。お祝の席上で演説するソア。それを暖かく見守るクリスチン、ブリデイ、ゼブの3人の顔は明るかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0二人の強き男の対立を描いた大河ドラマ

2013年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

難しい

総合:80点
ストーリー: 85
キャスト: 80
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 65

 自らの野望のために時には強引なやり方で突き進む男と、地元を愛する誠実で地域のために尽くす男。偶然出会ったこの優れた二人はいい友人になれたかもしれないが、ちょっとした運命の悪戯によって深刻な対立を招き生涯の敵となる。その二人に巻き込まれた人々の愛憎と歪んでいく運命、家族模様、それらがアラスカという巨大な土地のうえに世代を超えて描かれる大河ドラマ。アラスカという大地にまで話がいきつつ、最後には結局二人の個人的な関係に焦点が集まりうまくこの物語をまとめている。
 派手な映画ではないしあまり日本では有名ではないが、主人公二人とその周囲の人々の存在感と人生、それに物語を一気に転がしていく進め方が加わりけっこう楽しめた。西部劇で西部開拓を描く映画は数多けれど、アラスカを描いた話は少ない。原作が西部の発展をある家族模様を通して描いた「ジャイアンツ」と同じエドナ・ファーバーという人だそうで(私は映画は見たが原作は読んだことがない)、そういわれれば確かに共通点があって似ているなと納得。 だがこちらのほうが自分は好みだ。

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