ブラウンの怪盗手
解説
「ブラウンのサーカス」と同じくレイ・エンライトが監督したジョー・E・ブラウン主演映画でリング・ラードナー原作、ウィリアム・ウィスター・ヘインズ脚色になるもの。相手役は劇専門の舞台女優だったオリヴィア・ディ・アヴィランドで、「ワンダー・バー」のルース・ドネリー、「合点!!承知!!」のロスコー・カーンスー・カンス、「ボレロ」のウィリアム・フローリー等が助演している。キャメラは「相寄る魂」のアーサー・L・トッドの担当である。
1935年製作/アメリカ
原題または英題:Alibi Ike
ストーリー
何事にも言い訳ばかりするので「言い訳アイク」の異名を持っているフランク・ファーレルは田舎チームの投手であった。負けると言い訳をするが、彼は余り負けたことの無い、良い素質を持つ投手で、それを認めたシカゴ・カプスでは彼を引き抜いて投手団に加えた。カプスに入るとファーレルは、監督の細君ベスの妹ドリーに恋した。ドリーも彼の瓢逸さに好意を感じたが、やがて愛するようになる。所が間もなくドリーは帰郷したので、ファーレルの許へは毎日のようにドリーから手紙が来るようになった。捕手のケイリーは冷かし半分から、ファーレルに手紙は誰から来たかと質問の矢を浴びせた。言い訳アイクのファーレルは大学時代の友人から来たのだ、と言う。女文字じゃないかと詰問されて、左利きだからと誤魔化す。君は大学には入らぬ筈じゃないか、いや大学に行ったのは俺の友人だ、などと彼は大汗かいて弁解に勤めた。カプスがボストンへ遠征に赴いた時、ファーレルはついにドリーに婚約の指輪を与えた。それについても彼は、自分から申し込んだのでなく、彼女が申し込んで貰いたがっているので可愛そうになって婚約した、とでたらめを言った。ところがそれを運悪くドリーが耳にしたので、憤慨して指輪を返し彼女は故郷に帰ってしまう。その頃ファーレルは試合に出ると必ず勝つという調子で、大リーグ入りなのにカプスの主戦投手となっていた。野球試合に大金を賭けているギャングはファーレルを騙して巣窟に連れ込み、次の試合を負けろと脅迫した。ファーレルはドリーの事を思って投球思うに任せず黒星を得た。ファーレルの背後に賭博ありと知ったチームは彼を除名しようとしたが、ベスはドリーとの破綻でファーレルがクサっているからだと双方をなだめて丸く納めた。ファーレルが買収されないと知ったギャングは彼を誘拐して試合に出すまいとしたが、ファーレルは逃げ出しカプスの危機を救った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- レイ・エンライト
- 脚本
- ウィリアム・ウィスター・ヘインズ
- 原作
- リング・ラードナー
- 撮影
- アーサー・L・トッド