ふるさとの家
解説
「非凡の凡人」等の原作者デンマン・トンプスン氏作の舞台劇を「恩愛の泉」等の原作者パーレー・プーア・シーハン氏及びフランク・ウッズ氏が譚りに改め、更にジュリエン・ジョセフソン氏が映画脚色を行い、ジェームズ・クルーズ氏が監督したパ社の大力作である。主役は多数の同社映画に於いて常に老巧な縁起を見せたセオドア・ロバーツ氏で、其他ジョージ・フォーセット氏、フリッツィ・リッジウェイ嬢、ハリソン・フォード氏「背中を掻いて頂戴」で最近人気を得たT・ロイ・バーンズ氏、久しい前ユ社連続でお馴染みのキャスリーン・オコンナー嬢等が役割を飾っている。
1922年製作/アメリカ
原題または英題:The Old Homestead
ストーリー
長閑なガンジーの里にオールドホームステッドという牧場があった。牧場主の老人ジョシュ・ウィットコムは稀に見る善良な農夫で近隣の愛と敬いの的であったが、彼の家は金持ちのエフ・ホルブルックの手に抵当となっていた。ジョシュの伜レーベンはエフの店の番頭であった。憐れな孤児アンはジョシュの家に養女として育てられ今ではレーベンに深く恋していたが悲しい運命が彼女の恋人の上に訪れた。村の妖婦ローズに迷っていたエフの伜リムが彼女から無理な求婚をされ、彼女に手切金を与うる為 父の金を盗んだその罪がレーベンにかかり遂に彼は入牢の身となったのであるしかし彼は危うく牢を脱れ此土地を去っていったレーベンがローズと共に逃げたとのみ信じたアンのか弱い胸は独り痛んだのである。年老いたジョンは我子に罪人の汚名を追わせるに忍びず、家畜を売ってエフに返した。彼は今ではニューヨークで成金となっている旧友に金策を頼むべく都に上ったが、世の中は彼のような暖かい心の持主のみではなく、其望みも泡と消え、剰えジャックという男から愛する伜レーベンは中国へ行ったしまった由をきいた。重る落胆に悄然として再びオールドホームステッドなるふるさとの家へ帰り行く此善良な老爺に同情した親切者のジョンは、レーベンを呼び戻すべく中国に向かった。やがてジョシュの暖かい愛に栄えたふるさとの家が遂に競売される日が来た。突如静かなガンジーの地に大旋風が惹き起こり村は全滅してしまった。が唯一軒ふるさとの家のみは厳然として此嵐にも動じなかった。此嵐から無限の恐怖を覚えたリムはかつてレーベンの身に被せた己が罪を父に自白した。頑固ながら正直なエフは伜の為に起こった誤りを謝すべくジョシュの家に赴いた。丁度折柄故郷へ戻って来たレーベンも嵐に悩んでいたローズを助けて我家に帰ってきた。幸福に酔うジョシュの一家の中に一人アンは再びローズとレーベンの相愛を信じ悲しみの余り死なんと迄した。しかしアンは間もなくレーベンの真の心を知る事が出来た。年経りたる「ふるさとの家」に静かに幸福が帰って来た。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェームズ・クルーズ
- 脚本
- ジュリエン・ジョセフソン
- 原作
- パーレー・プーア・シーハン
- フランク・ウッズ
- 原作戯曲
- デンマン・トンプスン
- 撮影
- Carl Brown