「『ハドソン川の奇跡』の原点??」不時着 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
『ハドソン川の奇跡』の原点??
1964年の映画のレビューを2016年に書いているのは、本作がイーストウッドの『ハドソン川の奇跡』に驚くほど似ているから。向こうは実話でこちらはフィクションだが、どちらも空港から飛び立った旅客機に不測の事態が発生し、その責任を追及する物語なのだ。
『ハドソン…』と違って本作では多くの犠牲者が出る。だからこそ、整備のミスか機体の欠陥か、パイロットの人的問題なのかを早急に明らかにしないといけない。運航部長の主人公は、限られた時間の中で、死亡した機長に持ち上がった飲酒疑惑の真相を追うことになる。
機長とは元空軍の戦友同士である部長が、亡き友の知られざる一面を探っていく人間ドラマがメイン。特に印象に残ったのは、事故原因の可能性をひとつひとつ地道に潰していく地道な調査と、自分の持ち場でできる限りのことをする働く人々の姿。地味だがいぶし銀の良作として、もっと注目を浴びてもいいのではないだろうか。
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