美貌の罪人

解説

「手紙」「港の女」等と同じくW・サマセット・モーム氏原作の舞台劇を映画化したもので、「ダミー」「父と子」のルース・チャッタートン嬢、「夢想の犯罪」「都会の幻想」のクライブ・ブルック氏、「都会の幻想」「カナリヤ殺人事件」のウィリアム・ポウエル氏、「ソレルとその子」「幸運デニー」のメアリー・ノーラン嬢が主要なる役を勤め、「撮影所殺人事件」のフローレンス・エルドリッジ嬢、「最後の警告」のモンタギュー・ラブ氏、知名の舞台女優ローラ・ホープ・クルーズ嬢等が助演している。脚色者は「ウォール街の狼」「三罪人」のドリス・アンダソン女史、監督者は「ダミー」のロバート・ミルトン氏、撮影者は「ロマンスの河」「ウォール街」のビクター・ミルナー氏である。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:Charming Sinner

ストーリー

ロンドンの社交界でも知名な医師ロバート・マイルスの妻カスリンは怜悧な賢夫人であった。中年には必ず来るべき結婚生活の危険時代に自分たち夫婦も今やはいりつつあることを彼女は字画した。良人もロバートがカスリンの親友アンヌ・マリー・ウィトリーと道ならぬ恋に陥っていることもこのところには判っていた。2人の情事は早くも人の口の端にさえ上りつつあった。この時日本に10年間滞在していて帰国したカール・クレーリーという昔からカスリンに恋している男がマイルス家を訪れるようになった。カスリンはクレーリーを道具にして良人ロバートを懲らしめようと考えた。ある日アンヌ・マリーがロバートに逢いに来ている折り、妻とロバートの仲をしばらく疑い始めたウィトリーが穏やかならぬ様子をして来訪した。カスリンは嘘を吐いてウィットリーの疑いを解いた。そこで彼が立ち去った後ロバートとアンヌ・マリーは自分たちの不始末をカスリンに打明けねばならぬ羽目になった。ロバートは妻が怒るだろうと思っていたがカスリンは家常茶飯事の如くにあしらったので却って驚かさえあた。翌日カスリンは競馬で多額の金を儲けたので例の計画を実行することに決めた。彼女はクレーリーと共にイタリアへ保養に行く旨を良人に告げた。ロバートは嫉妬を押へ得ず憤慨したが脛に傷持つ身の弱さで、彼女が帰って来たらクレーリーなんかに勝ってな真似はさせないと言うだけで、妻のイタリア行きを止めることは出来なかった。クレーリーはその話を聞いてカスリンに同行を願った。しかしカスリンは良人を懲らしめる心算だけでうらぎろうなどとは少しも考えていないので、イタリアへは1人旅に行き帰ったら良人と元通りになるにだといって、クレーリーの申し出を拒んだのである。

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