巴里の暗影
解説
フランスの劇作家アンドレ・ピカール氏及びフランシス・カルコ氏合作の舞台劇「我が恋人」に基づき、フレデリック・J・ジャクソン氏とイヴ・アンセル女史が脚色し「西班牙の踊子」「絹擦れの音」等と同じくハーバート・ブレノン氏が監督した。ポーラ・ネグリ嬢の「西班牙の踊子」に次ぐ作品で、嬢の相手には「無法者の掟」「チート」等出演のシャルル・ド・ローシュ氏「巴里の女性」「西班牙の踊子」のアドルフ・マンジュウ氏「社交界の誘惑」「幸福の扇」のハントリー・ゴードン氏が出演し、その他ギャレス・ヒューズ氏、ジョージ・オブライエン氏、ヴェラ・レイノルズ嬢等が端役を演じている。
1924年製作/アメリカ
原題または英題:Shadows of Paris
ストーリー
「黒鳥」と呼ばれたクレールはパリ暗黒街のプール酒場を本拠として、アパッシュ達に恐れられていた姐御であった。彼女にはフェルナンという恋人があったが、世界大戦が始まるや、フェルナンも出征し、戦死されたと報じられた。クレールは冒険を求めてパリの嬢夕の人々の間に入り込み、部下を使って悪事を働いていたが、政治家のラウールに恋せられて彼の妻となる。すさんでいた彼女の心も夫の温かい愛に導かれて次第に女らしくなっていた。ラウールの秘書のジオルジュは彼女の前身を知り、彼女を脅かして我が意に従わせようと努めていた。クレールはプールの酒場でフェルナンに逢った。彼は死んだのでは無かったのである。彼女が彼に対する情熱は再び燃えた。その夜フェルナンは彼女の室に忍び込んだが、宝石が目につくと彼はそれを奪い取った。この浅ましい所行を見てクレールの恋も一時に醒めた。ジオルジュはフェルナンと争い、ついに彼を射殺した。ここへラウールが帰宅して来る。ジオルジュはさすが教養ある紳士であった。哀れなるクレールを再び破滅の淵に投げ込むに忍びず、女主人の宝石を盗みに入った盗人を殺したのであると物語った。クレールは夫の愛の腕のうちに永久の幸福を見出したのであった。批評ー昔のネグリ嬢の面影を久しぶりで見ることが出来る。パリの雰囲気も良いし、戦慄的な物語も面白い。何をおいても見逃すなかれ!である。(ニウス誌フランク・エリオット)
スタッフ・キャスト
- 監督
- ハーバート・ブレノン
- 脚色
- フレデリック・J・ジャクソン
- イブ・アンセル
- 原作
- アンドレ・ピカール
- フランシス・カルコ