バスター・キートン物語

劇場公開日:

解説

笑わぬ喜劇俳優として一世を風靡、チャップリンとともに無声映画時代の喜劇王といわれたバスター・キートン(公開当時61歳)の半世記。キートン自ら製作に協力している。製作・脚本はロバート・スミスと「底抜け西部へ行く」の脚色者シドニー・シェルダン、監督もシェルダンが担当した。撮影監督は「すてきな気持」のロイヤル・グリグス、作曲は「八十日間世界一周」の故ヴィクター・ヤング。主演は、キートンになる「夜は夜もすがら」のドナルド・オコナー、その妻に「ローズ・マリー(1954)」のアン・ブライス、ほかに「連発銃は知っている」のロンダ・フレミング、「八十日間世界一周」のピーター・ローレ。

1956年製作/アメリカ
原題または英題:The Buster Keaton Story
配給:パラマウント
劇場公開日:1957年7月13日

ストーリー

しがない旅芸人の息子バスター・キートン(ドナルド・オコナー)は、生まれて3日目、早くも両親と舞台に出た。以来、彼は両親に連れられ苦しい旅回りを続けたが、21歳の時生きる道を映画に求め、ハリウッドはフェイマス・ピクチャーズ撮影所の門を叩いた。撮影所ではセックス・アピールの人気女優ペギー・コートニー(ロンダ・フレミング)が、ブロードウェイから招いたコメディアン、エルマー・ケイスを相手にジャングル・コメディを撮っていた。キートンは妖艶なペギーに忽ち魅せられた。撮影所の配給部長、美しいグロリア(アン・ブライス)が優しい言葉をかけてくれたが、ペギーに魅かれたキートンは彼女を可愛いエキストラくらいにしか考えなかった。一方、撮影中のコメディは、ケイスの熱演にも拘らず肝心の喜劇味が出ず、傍らで見ていたキートンは、あれじゃ客は笑わないと口出ししてしまった。人の悪いこの映画の監督バーグナーは早速キートンを引張り出し、ケイスの代わりを演らせてみた。キートンはそれを巧みに演ってのけた。これが撮影所長ウィンタースの目に止まり、キートンの映画入りが実現した。が、ひねくれ者の監督バーグナーは、キートンに敵意を抱くようになった。やがて、グロリアの心遣いもあってキートンはフェイマス・ピクチャーズと正式契約を結ぶ身となった。喜びを隠し切れぬ彼は、ペギーをハリウッド一のナイトクラブに招待された。が、旅芸人の息子キートンの無作法は、一同の冷笑を買い招待は失敗に終わった。しかしペギーに魅せられたキートンは、彼女に結婚を申込み新居にするための大邸宅を買った。キートンを愛していたグロリアは、夢破れ、ヨーロッパへと旅立った。ある日、キートンは、買った大邸宅にペギーを招いた。この日は彼の結婚申し込みの返事を受けとるはずだった。が、現れたペギーは、今婚約したばかりだという美男の公爵を連れてきた。キートンは絶望した。だがその後の彼は次々とヒット作を出し喜劇王の名をかちえた。ところが間もなく訪れたトーキー時代に、台辞の拙いキートンは遂に名声を落とすことになった。その陰には監督バーグナーの策略も潜んでいたが、それからというもの、キートンはヤケ酒をあおりドン底の生活を味わう身となった。そんなところへグロリアがある日、訪ねてきた。彼女は既に他の人と婚約していたが、キートンを思う力は強く、その再起を願った。グロリアの言葉にキートンも始めは頑なな心をときほぐさなかったが、やがて彼女の愛情を受け入れ、再生を誓った。

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