ハリウッド征服
解説
「妾の弱点」と同じくデイヴィッド・バトラーが監督し、アーサー・ミラーが撮影に当ったB・G・デシルヴァ作品で、「力と栄光」のスペンサー・トレイシー、英国から来た新人パット・ペイターソン、「裏切る唇」のジョン・ボールズが主演するもの。脚本は監督バトラー、製作者デシルヴァ及び俳優のシド・シルヴァースが共同して書卸した。助演は「大帝国行進曲」のハーバート・マンディン、「妾の弱点」のシド・シルヴァース及び「唄へ!踊れ!(1933)」のハリー・グリーン、そして「メリケン万歳爆走の巻」のセルマ・トッド等である。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:Bottoms Up
ストーリー
カナダで美人投票一等当選をした娘ワンダ・ゲールは、映画スターを夢みてハリウッドへやって来た。そして憧れの映画スター、ハル・リードにサインして貰ったりして悦んだ。彼女は或日昼食に安食堂へ行き、そこで三人組の映画俳優志願の男達に会った。そのリーダー格は早口のスムーシー・キングという男、一人は偽署に巧妙な詐欺の前科者ライミー・ブロック、もう一人はスパッド・モスコという小唄作りであった。ワンダが殆ど無一文になっていると知ったキングは彼女を自分達の仲間に入れてやる。かくて四人はモスコの住処──廃棄されたベビー・ゴルフ場を借のねぐらとすることになった。キングは四人が映画界入りの手段として大芝居を打つことに決めた。ブロックとワンダとを英国貴族ブロックルハースト卿と其の令嬢に仕立て、パサデナから列車に乗込ませる一方、手をまわして新聞にブロックルハースト卿父子のロサンジェルス到着時刻を書かせた。そしてキング自ら停車場に卿父子を出迎えに赴きハリウッド一流のアムバサダー・ホテルに宿をとった。映画女優ジュディス・マーロウは彼等を夜会に招いてもてなした。キングはプロデューサーのルイ・ウォルフにワンダを売込もうと熱心に試みたが奏効しない。席上ワンダはハル・リードに会い、酔潰れたハルをそのアパートへ送って行ってやる。これをネタにしたのはブロックで彼はウォルフに脅迫状を送った。ウォルフは自分のとこのピカ一人気俳優にキヅがついては大変なので、ワンダを始め例の三人組を撮影所に招き、結局ワンダとキングとモスコを契約しなければならぬ事となる。そしてワンダに端役を演らせろとの命令書を書くと、ブロックはそれを主役を演らせろと書直し得意の偽署で監督を誤魔化す。かくてワンダはハル・リードと共演する事となったが、彼女の憧れのハルと芝居するので懸命となり素晴らしい出来栄を見せる。その内にジュディスはワンダとブロックが貴族父子というのは偽りである事を知り、ウォルフに告げる。しかし其時はワンダは既に宣伝で人気も高まり馘には出来なかった。そして彼女とハルとの仲をキングは取持って結婚させたのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- デビッド・バトラー
- 脚色
- バディ・G・デシルバ
- デビッド・バトラー
- シド・シルバース
- 原作
- バディ・G・デシルバ
- デビッド・バトラー
- シド・シルバース
- 製作
- バディ・G・デシルバ
- 撮影
- アーサー・ミラー
- 音楽監督
- コンスタンチン・バカレイニコフ
- 音楽
- ハロルド・アダムソン
- バートン・レーン
- リチャード・ホワイティング
- ガス・カーン