波止場の天使
解説
「女は要らねえ」「藪睨み武勇伝」のヴィクター・マクラグレンが過日危禍に他界した新人ドロシー・デルと「フープラ」「女囚の意気地」のブレストン・フォスターを相手に主演する映画で、フレデリック・シュリックの原作を「恋の凱歌」のサミュエル・ホッフェンシュタインと「路傍」のフランク・パートスが共同脚色し、「チャンドウ」「街の令嬢」のウィリアム・キャメロン・メンジースと「419号室の女」「深夜の紳士」のジョージ・サムンズが共同監督し、「生活の設計」「恋の凱歌」のヴィクター・ミルナーが撮影に当たった。主役三人を助けて「ヒョットコ夫婦」のアリスン・スキプワース、デイヴィッド・ランドー、ジョン・ロジャース、フランク・シェリダン等が出演。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:Wharf Angel
ストーリー
サンフランシスコの魔窟バーバリ・コーストでブライトというしたたか者の婆さんが酒場を開いていた。そこのトイという評判の女に、中国通いの貨物船の火夫タークが血道を挙げて通っていた。タークが出帆する前夜、コモという若者が警官に追われて酒場に逃げ込んで来た。トイは傷ついたコモを介抱している内に純情なコモに愛着を感じ、タークとの約束を忘れてしまった程だった。タークが出帆する時が来た。彼はブライト婆さんに頼ませて、コモを自分の貨物船に乗り込ませた。そして中国への航海中2人は無二の親友になった。トイはコモとの愛に生きんがため、足を洗って堅気になろうとした。それ故に、航海から帰って来たコモとメキシコへ逃げようとした。が、金が足りなかった。やむなく、悪いとは知りながら、タークを騙して金を借りた。タークは船を降りて、トイと真面目な結婚生活を営もうと思っている矢先だったので、計らずもトイに騙されたことを知ると、怒りの余り、コモを警官に密告した。そして、莫大な賞金を警察から貰った。友達を裏切る様な奴は殺してやる、と常に豪語していたタークではあったけれど、コモとトイの真面目な強い愛の姿を見ると、さすがに心が安らかではなかった。遂に、タークは位を決し、コモのために貰った賞金で良い弁護士を雇い、2人の幸福を計ってやったのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・キャメロン・メンジース
- ジョージ・サムンズ
- 脚色
- フレデリック・シュリック
- 原作
- サミュエル・ホッフェンスタイン
- フランク・パートス
- 台詞
- スティーブン・モアハウス・エイブリー
- 撮影
- ビクター・ミルナー
- 音楽
- ラルフ・レインジャー