二国旗の下

解説

「野に咲く花」に次いで製作されたプリシラ・ディーン嬢主演のユ社ジウエル特作品で有名なウィーダ女史の小説を原作してトッド・ブラウニング氏及びエドワード・T・ロウ・ジュニア氏脚色し、「法の外(1921)」と同じくブランウニング氏が監督した。相手役としてはジェームズ・カークウッド氏が出演し、その他色敵役で有名なスチュアート・ホームズ氏や「一騎当千の男」等に出演のエセル・グレイ・テリー等が出演している。

1922年製作/アメリカ
原題または英題:Under Two Flags

ストーリー

仏国の統治下にあるアルジールは仏人もアラビア人も共によく融和して表面は平和であったが、酋長ベン・アリは内心何時か事を起こして仏の覇絆を脱しようと考えていた。この町には名物として誰一人知らない者のない連隊の娘シガレットと呼ばれる乙女がいた。彼女の父は仏人、母はアラビア人で、その間に生まれ父の持つ愛国心と母の持つアラビア人の好戦の血潮とは彼女に火のように激しい感情を与えた。ところがこのアージールへどこからか流れて来たか、鬱鬱として暗い顔をしたヴィクターと呼ぶ漂白の男があったが、やがて彼は仏軍の伍長として軍務につくことになった。初めて見た時からこのヴィクターに想いをよせていたシガレットはどうにかして、彼の心をひきつけようとつとめていたが、何か心に曇りのある彼は何としても動かなかった。その中に酋長ベン・アリは遂に反旗を翻し、夜陰に乗じて仏軍を全滅させようと企てが、これを知ったシガレットはベン・アリに欺いて急を仏軍に報じた。ちょうどそこの時悪人共の計に落ちてヴィクターは、あらぬ疑いを受け銃殺されようとししていたが、その刹那に駆けつけたシガレットは彼の前に立ち塞がり数発の弾丸を身に受けて倒れた。戦いが終わり、身の疑いも晴れてヴィクターは初めて彼女の切なる思いを知った。そして臨終の際に愛人の手に抱かれた。シガレットは安らかに短い一生を終わったのであった。

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