毒の花
解説
「ウォール街の狼」「女優情史」等と同じくロウランド・ビ・リー氏の監督作品でマージェリー・H・ローレンス女史の原作を「狼の唄」「暗黒街の女(1928)」のジョン・ファーロウ氏が小エドワード・E・バラモア氏と共同で脚色した。主演者は「忘れられた顔(1928)」「ウォール街の狼」のオルガ・バクラノバ嬢「都会の幻想」「夢想の犯罪」のクライブ・ブルック氏及び「三週間」「踊る青春」のニール・ハミルトン氏で、レスリー・フェントン氏、クライド・クック氏、スニッツ・エドワーズ氏等が助演している。撮影技師は「艦隊入港」「カナリヤ殺人事件」のハリー・フィッシュベック氏。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:A Dangerous Women
ストーリー
英国人のフランク・グレゴリは東アフリカの植民地に知事として勤務していたが、彼の妻タニアはロシア人で非常な情熱家だった。彼女は良人の深い愛に恵まれていながら、情熱の迸るにまかせて絶えず家庭に風波を起していた。そしてグレゴリの助手アラートンはタニアの情熱の犠牲となって遂に自殺してしまった。こんなことがあってから夫婦仲は益々面白くなくなってとうとう2人は別居することになった。そこへアラートンの後任としてフランクの弟ポップが赴任して来た。原住民の婚礼の祝宴をタニアに誘れて見物に出掛けたポップは娘の誘惑に心を蝕まれ始めた。タニアは天涯万里の異境アフリカの境地に在ってともに語るべき友もないという不幸を訴え、巧みにポップの同情心を喚起したのであった。その夜以来タニアとポップとが親密になって行くのを知ったフランクは痛心して弟を着任させようと計ったところタニアはポップが着任するなら自分も一緒に行くと言い出したのである。フランクは苦悶の末いっそタニアを亡き者にしようと考え、ある夜ひそかに彼女が日頃愛飲する飲料の中に毒を混じて置いた。これを知ったフランクの忠僕タッブスが主人の身を案じて毒の入った飲料を棄て代わりにただの水を注いでおいた。ところが不思議にもその夜タニアは何処からか侵入した1匹の毒蛇に噛まれて死んでしまった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ローランド・V・リー
- 脚色
- ジョン・ファロー
- エドワード・E・パラモア・Jr.
- 原作
- マージェリー・ローレンス
- 撮影
- ハリー・フィッシュベック
- アソシエイト・プロデューサー
- ルイス・D・ライトン