屠殺者(1930)

解説

かつて1992年にセシル・B・デミル氏が映画化したことのある物語で原作はアリス・デュアー・ミラー女史の筆になり、「楽屋行進曲」「半分天国」のジョージ・アボット氏が脚色並びに監督に当たり、「続フーマンチュウ博士」「若き翼」のアーチー・スタウト氏が撮影したものである。「壁の穴(1929)」「女は嘘つき」のクローデット・コルベール嬢が主演し、「アイスクリーム艦隊」「摩天楼の巨人」のフレドリック・マーチ氏、「テキサス無宿」のエマ・ダン夫人、ナタリー・ムーアヘッド嬢、リチャード・タッカー氏、ヒルダ・ヴォーン嬢、その他が助演している。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:Manslaughter

ストーリー

少壮の地方判事ダンと恋に陥ちたリディアは金持ちの娘だけに我がままで強情なところがあった。ある時彼女は速力違反で交通巡査に捕らえられたとき賄賂を使おうとした。それをダンが見つけて諌めるとリディアは腹を立てた。またある時彼女の女中エヴァンスが情夫と共謀してリディアの宝石を盗んだことがあった。だがまもなくエヴァンスは非を悔いて自分の罪を自白したのでダンは女中の罪を軽くしてやろうとリディアに計った。しかし公判の日にリディアが約束を忘れ出席しなかったためエヴァンスは15年の刑を言い渡されてしまった。その後リディアは自動車の運転中速力を出したところをまた以前の警官に発見された。だが彼女はその時警官を避けようとして衝突し彼を轢殺してしまった。そこでリディアを心から愛するダンはやむなく彼女を処罰せねばならぬ立場に立つこととなった。彼女を愛するアルビー弁護士の努力も功を奏せず彼女はついに殺人犯として刑務所え収容されることとなった。だが巳が非を悟らぬリディアはダン判事の仕打ちに憤り復讐を誓うのであった。然るに監獄生活を送るうち厳しい訓練は彼女の心を変化させリディアは過去の我がままをようやく恥じるにいたった。監獄には彼女の女中であったエヴァンスもいた。一方、ダン判事は愛するリディアを刑に処してからというもの職を辞し自暴自棄になって日夜酒に浸る身となった。そして数カ月後ある法律事務所に勤めることとなったダンは耐えがたい愛着に駆られて監獄にリディアを訪れた。けれども飽く迄ダンを誤解している彼女はダンに快い顔を見せなかった。知人の斡旋により監獄を出て家に帰ったリディアはダンを呼び寄せ復讐の手段としてダンを現在の仕事から放逐してやると言い放った。だがダンは仕事などどうなっても構わぬ、それよりも大切なのは彼女であり、彼女に対する愛は昔も今も変わってはいないと言って帰って行く。彼がいなくなると共にリディアの心に昔の愛が甦った。そこで彼女はダンの跡を追った。二人の間が元に復したことは言うまでもない。

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