「役者の一人芝居合戦」透明人間(1933) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
役者の一人芝居合戦
欽ちゃんの仮装大賞なんかで使われた透明人間ネタ。あれに近いものがあった。ドアがひとりでに開き、椅子がへこみ、タバコが宙に浮く。そんな単純な仕掛けで透明人間は作り上げることができるのだ。しかし、この1933年、トーキーになったばかりの映画でここまで演じるのが凄いと思えるほど役者の一人芝居が上手いのだ。
何のために透明人間になろうとするのか?普通なら銭湯の女風呂を覗くためじゃね?と男のスケベ心はここが原点。しかし、ほとんどのインビジブルものは兵器に利用したり、スパイ活動に利用したりするのが常。ただし、この主人公は自分で「世界征服する!」などとほざいているのだ。軍に薬を売れば最強の透明軍隊も生まれるし、巨額の富をもたらすのだ。
ストーリーは、ハリー・ポッターやドラえもんの透明マントとかLOTRのリングみたいにファンタジーじゃなく、殺戮を繰り返す凶悪人間となってしまう。崖から落とされた人たちの演技やジャイアントスウィングされる警官も見どころの一つ。もう、人を殺すしか興味ないんか!と、粗暴さに呆れ果ててしまう作品でもありました。
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