妻(1918)

解説

フローレンス・リード嬢の久し振りの出演劇で、1918年度のパイオニアー映画、ジョン・M・スタール氏の監督である。深刻な社会劇である。良心の声に導かれ、夫の不信を発表しようか、自分も楽しみを享楽しようかと悩える若い妻、義母の虐待されるのを見て、養父に発砲した可憐な私生児、心には妻を愛しながらも、1度できた壁を超すことができず永い間不満な生活を続けている夫、その3人を廻る数奇な運命が力強く観者に迫る。

1918年製作/アメリカ
原題または英題:Wives of Men

ストーリー

富豪ジェームズ・ランドール・エマースンの妻ルシルは結婚式の披露の席で、夫が「最愛の夫ジェームズへ。妻のグレースより」と署名のある1葉の写真を慕しそうに見ているのを見て、一層ここで人々の前に「この男は今まで自分を偽っていた卑劣漢だ」と罵ってやろうか、それとも黙して表面は平和な生活を続けようか、この2つの間に悩えたが、因循にも後者の方を採ったので、その後12年の長い歳月を夫の愛を疑って心淋しい月日を送っていた。一日彼女は無頼漢バッグ・ホウキンスの妻となって虐待されているメリーという憐れな女の病床を見舞い、12年前夫の愛を自分から奪った女グレースの遺児ジミーを養っていることを聞いた。ルシルは自分に対する夫の愛を確めるため、夫の友人ポールを頼み巧みな一計を案じて自分とポールが道ならぬ間であるかの如く装った。その計略は夫の愛を証明した。初めて真に理解しあうことのできたルシルとジェームズはこれからは幸福に成れるだろう。

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