劇場公開日 2023年6月25日

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「俳優たちのための映画」オープニング・ナイト 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5俳優たちのための映画

2023年10月8日
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鑑賞方法:映画館

前回のカサヴェテス・レトロスペクティブで唯一未見だった作品。
カサヴェテス作品は概してつかみどころがない。出演者が延々としゃべっているのを見せられたり、いきなりシーンが変わって、今どこにいるか掴めなくなったり。カサヴェテス自身が語っているように、彼は映画技法には関心がなく、要は俳優たちの感情をカメラに写し取りたいのだろう。
老いに抗おうとする舞台女優を描いた本作は、カサヴェテスならではの俳優たちのための映画と言える。俳優だけでなく、演出家、作家、プロデューサーも出てくるバックステージ物としても楽しめるし、他のカサヴェテス作品に比べるとストーリーがはっきりしていて、観やすい仕上がりとなっている。
ジーナ・ローランズは熱演。亡霊に憑依されたかのようなシーンは、リアルに怖い。俳優としてのカサヴェテスは、出番は少ないものの、シニカルな持ち味で、ラストのアドリブ合戦を含めて印象を残す。
それにしても、70年代頃の映画を観ると思うのは、どこでもスパスパと煙草を吸っていたのだなということ。ちょっとオカルトチックなのも、その頃ならでは。そういえばカサヴェテスは「ローズマリーの赤ちゃん」に出てたね。

山の手ロック
トミーさんのコメント
2023年12月18日

この頃は大分観易くなってると感じます。夫婦だと承知してるからか、最後のアドリブ合戦がなんか正視出来ない感じでした。

トミー