高飛び成層圏
解説
「踊るブロードウェイ」のジャック・ベニーが主演する映画で、「大空の地獄」の脚色者バイロン・モーガンがリュウ・リプトンと協力して書き下ろした台本により「街の果報者」のチャールズ・F・ライズナーが監督し、チャールズ・エドガー・シェーンバウムが撮影した。助演は「港に異常なし」のユーナ・マーケル、「無軌道行進曲」のテッド・ヒーリーおよびナット・ペンドルトン、「魔の超特急」のメアリー・カーライル、「悪夢」のハーヴェイ・スティーブンス、「一対二」のグラント・ハッチェルその他である。
1935年製作/アメリカ
原題または英題:It's in a Air
ストーリー
カルヴィンと相棒のクリップはあらゆるスポーツに関するイカサマ賭博で生活していたが、彼らの弁護士が捕縛されたことから脱税の嫌疑でその筋からポトカ探偵が2人を逮捕に向かった。しかし2人は頓馬なポトカを巧みにまいてデザート・スプリング・ホテルという田舎のホテルに高飛びした。そこにはカルヴィンの妻アリスがテニス教師をしていた。カルヴィンは真心から妻を愛していたが、アリスは彼の行状が悪いために別居しているのである。カルヴィンとクリップの2人は、このホテルへ成層圏探検を志す科学者と退職陸軍少佐というふれ込みで乗り込んだ。ところがホテルにいた飛行機会社社長グリドレーがこれを聞き込んだ。彼は成層圏研究用の軽気球を作っていたので、これ幸いとばかりカルヴィンを使って飛行をしようと思ったのである。そこで彼の娘のグレースに命じせいぜいカルヴィンのご機嫌を取っておくことにした。一方カルヴィンはアリスに復縁を乞うたが、彼女は本当に改心した証拠がなければと承知しない。そのうちにグリドレーの計画は着々と進み、ホテルに居合わせた実業家たちの間に宣伝して廻ったので、カルヴィンの成層圏探検は今は動かすことのできない事実と見られるように思われてきた。いまさら引っ込みのつかなくなったとき、アリスは再婚を約束してカルヴィンを励ました。こうしてカルヴィンとクリップの2人は気球に乗って上昇したが、これがまぐれ当たりの大成功で、地上14里というとてつもない上空に達することができたのである。一躍名声と金を得たカルヴィンは、めでたく再び恋女房アリスを抱くことができた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- チャールズ・F・ライスナー
- 脚色
- バイロン・モーガン
- ルー・リプトン
- 撮影
- チャールズ・エドガー・シェーンバウム