「ボクシング&恋愛のドラマにノワール的展開が面白い!」倒れるまで たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
ボクシング&恋愛のドラマにノワール的展開が面白い!
エドワード・G・ロビンソン、ベティ・デイヴィス、ハンフリー・ボガートなど共演の「ボクシング映画」&「恋愛映画」だけでなく「ノワール映画」っぽくなるマイケル・カーティス監督の面白い映画。
原題『Kid Galahad(キッド・ギャラハッド)』は物語の軸となるボクサーの名前だが、邦題の『倒れるまで』という付け方はナイスだと思う。
「ボクサーが倒れるまで」というのと「銃撃戦で倒れるまで」の2つの意味を持たせる上手いタイトル。
物語は、ボクシング・コーチのニック(エドワード・G・ロビンソン)は才能を見込んでボクサーを育てているが、なかなかチャンピオンにさせられない。ニックにはフラフという恋人(ベティ・デイヴィス)がいる。そして、ボクシングの商売敵としてモーガンなる男(ハンフリー・ボガート)がいて、役者が揃った感じあり…(^^)
ニックが育てたボクサーを商売敵モーガンに金で取られて、金も選手も失ったニックがパーティを開いたところにやって来たイケメンの給仕ボーイ(ウェイン・モリス)が、パーティ会場に入って来たボクサーが失礼な事をしたので、彼を一発で殴り倒してしまう。
ニックは彼を給仕からボクサーにさせてチャンピオンを目指すが、彼がニックの妹と出会ってイイ仲になったこと、自分の恋人フラフがイケメンに恋したのだはないか…などと勘繰り始めたあたりからの「人間関係のもつれ」・「登場人物の思惑」などが交錯して、面白くなっていく。
劇中でベティ・デイヴィスが歌う場面などを見ると、「やっぱり若い頃のベティ・デイヴィスは華があるな~」などと思う。
(本作は、1937年作品)
また、クライマックスのボクシング場面の終盤で、「リング付近に大勢の警官」、『銃をよこせ』と言って拳銃をポケットに入れるニックの姿などを見ると、ボクシング以外の展開に期待して、盛り上がる。
なかなか面白い映画であった。