タッチ・ダウン(1931)
解説
名コーチャーと謳われた故ヌート・ロックイニイーの助手をしてたフランシス・ウォレス作の蹴球小説「スタディアム」を映画化したもので、「砲煙」「征服群」と同じくグローヴァ・ジョーンズとウィリアム・スレイヴンス・マクナットが共同脚色し、「いんちき商売」「青春来る(1931)」のノーマン・マクロードが監督し「いんちき商売」「哄笑の世界」のアーサー・L・トッドが撮影した。主役は「沈黙の犯罪」「砲煙」のリチャード・アーレンで「沈黙(1931)」のペギー・シャノン、「おしゃれ牧場」「珍暗黒街」のジャック・オーキイ、「キック・イン」のレジス・トゥーミー、「名門芸術」のチャールズ・スターレット、「陽気な中尉さん」のジョージ・バービア、「蹴球大学」のJ・ファーレル・マクドナルド等が共演している。
1931年製作/アメリカ
原題または英題:Touchdown
ストーリー
強大な蹴り球チームを持っているミッドウェスト大学を卒業した蹴り球選手のダン・カーティスは某大学のコーチとなったがその成績がよいのでエル・エム大学にコーチとして招聘された。エル・エム大学の卒業生で金持ちのジェローム・ゲーリングは大きな競技場を寄付した。彼の息子のポールは蹴球部の選手である。娘のメエリーは最も熱心な応援者の一人だった。ダンは素質の良い中学の蹴球選手を選んで入学させ、みっちりしこんで強いチームを作ることを条件としてエル・エム大学のコーチとなった。勝てば給金を増やしてもらえると言うのでダンは是非勝とうと決心した。メエリーはダンと同窓だったトム・ハッシーに恋していたが、ダンと会うに及んで最初は嫌がったが男らしい気性に惚れてしまった。ユニオン大学との試合中ポールは頭部に重傷を受けたが、ダンは医師に重傷であることを本人には言わないでくれと頼んだ。ポールの代わりにでる選手は膝が悪いのでダンはノヴォカインを注射した。その選手はこれが最後で、今後は競技が出来なくなるとは知らずに活躍してエル・エムを勝利に導いた。メエリーは注射事件を聞いてダンと喧嘩してしまう。シーズンの花のトーナメント試合ではエル・エムの旗色が悪く観衆はポールを出せと叫んだ。ポールは大きなバンド・キックに優れているので敵のタッチダウンを防ぐことは十分だった。ポール自身は勿論出場したがっていたが、ダンはポールの古傷が破れたら死んでしまうことを知ったので、試合に負けてもポールを出すまいと決心した。試合は進んでついにエル・エムは敗北した。ダンは罵声を浴びねばならなかった。 しかし彼がポールを殺さぬ為に出場を許さなかったことがやがて解ったとき、メエリーはダンと仲直りした。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ノーマン・マクロード
- 脚色
- グローバー・ジョーンズ
- ウィリアム・スレイバンス・マクナット
- 原作
- フランシス・ウォーレス
- 撮影
- アーサー・L・トッド