凡ての女に一度

解説

「野心」Ambitionとして製作された映画を改題して発売せるもの、ドロシー・フィリップス嬢最後のジウエル映画である。嬢の夫君アレン・ホルバー氏の原作及び監督で、嬢の相手は「君国の為に」や「潮の花弁」等出演のロバート・アンダーソン氏とルドルフ・ヴァレンティノ氏とである。

1920年製作/アメリカ
原題または英題:Once to Everywoman

ストーリー

プレザントンの小村に、鍛冶屋のマシウ・メレディスを父としたオウロラという娘があった。彼女の天性の美貌と美声とは、彼女をして貧しい一家の女王たらしめ、両親や彼女の弟妹は襤褄を纒う事があっても、彼女だけはその時々の流行の衣服までも買ってもらえるのであった。フィニース・スカッダーという村の若者は深くもオウロラを慕っていたが、彼女は自分の声の美しさをもととして華やか世界に生きたいとの野心が強かった。ニューヨークのある金持ちの婦人は彼女を立派な音楽家に仕立て上げるため彼女をイタリアに留学させようと申し出た。オウロラは家庭の涙も顧みず1人ミラノに渡ったが、学資を出してくれる筈の婦人は急に死んだので知らぬ異国にあって彼女はその日の糊口に窮した。ジュイランティモという青年は彼女に物質上の保護を与えた。そして彼女は音楽家として成功したが、ジュイランティモの悪い心を知り、彼の手を逃れて米国に帰る。ニューヨークに於て声楽家として持て囃された彼女はディヴォンシャー公爵に求婚されたが、最初オペラに出演するまで待ってくれと言っていた。オペラの開演された晩、遥々彼女を追って来たジュイランティモが舞台に於て彼女を狙撃したが、狙い外れて彼は自殺する。しかしその驚きからオウロラは声が出なくなってしまう。これを見て彼女に愛を求めていた公爵は手切金を出して今までの縁を切ろうとした。世の無情を感じて彼女はプレザントの我家に帰った。そして、病篤き母が最後の望みで、昔口ずさんでいたベン・ボールトの歌を唄うと、不思議や再び声が出た。都からは再び彼女に舞台に立つようにとの勧めも来たが、彼女はそれを却けて平和な生活を楽しむこととなる。

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