受難のテス
解説
イギリスの文豪トーマス・ハーディー原作の「ダーバーヴィルのテス」に基いて、ドロシー・ファーナム女史が脚色し「ミニー」「富に群がる者」等と同じくマーシャール・ニーラン氏が監督したもので、主役は氏の夫人で「パレスの騎士」に出演したフランシュ・スウィート嬢と「真夏の狂乱」「嵐に散る花」等出演のコンラッド・ネーゲル氏である。その他「救いを求むる人々」出演のスチュアート・ホームズ氏やパラマウント映画でお馴染みのジョージ・フォーセット氏等も主要な役を演じている。
1924年製作/アメリカ
原題または英題:Tess of the D'Urbervilles
ストーリー
イギリスロンドンに程近きウェセックスの村で多勢の子供を抱えながら酒に浸っていたダービイフィールドと云う老人があった。ある日村の牧師から自分は由緒正しき田家ダーバーヴィル家の子孫であるを聞かされて不正な考を抱いた彼は長女のテスを今はダーバーヴィル家の土地を買取ってダーヴァーヴィルを名乗っているアレックという地主の許へ住込ませた。美しいテスの容姿はアレックの汚ない血を湧かせ、テスは身重になって父の家へ逃げ帰って来た。生れた子供は程なく死んだので、テスは再び働かなければならなかった。彼女はエンジェル・クレアーという紳士に恋され、結婚することとなったが、クレアーは彼女の過去を知って絶望の極南アメリカへ去った。テスは我家へ帰ってくると父は死し一家は彼女が養わなければ饑に迫るばかりであった。アレックと彼女の再会、アレックは彼女に妻になって呉れと頼む。他に途のない彼女はそのを承諾し衣服を調べにロンドンへ来た時、テスを許そうとして帰って来たクレアーと偶然会った。アレックは彼女を連れて我家へ帰って来たが、二人を追って来たクレアーが着いた時にテスはアレックを殺していた。二人は手を携えて逃れたか途中で捕えられ、テスは犯した罪の酬いとして死刑を宣告される。冷たい牢獄の入口に妻の身を案じて立っているクレアーは、死刑の終った印しの黒旗がスルスルと引上げられるのを見たのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マーシャル・ニーラン
- 脚本
- トーマス・ハーディ
- 脚色
- ドロシー・ファーナム
- 撮影
- デイヴィッド・ケッソン