殺人犯横行

解説

「浮気成金」「赤い髪」「娘十八映画時代」のクラレンス・G・バッジャー氏が監督に当った作品でマレイ・レインスター氏原作になる小説から「クラック将軍」「ミシガン小僧」のJ・グラブ・アレキサンダー氏が脚色し「マネキンの夢」「情炎の美姫」のジョン・サイツ氏が撮影したもの。主役を演ずるのは「歓楽地帯」「船頭さん可愛や」のジャック・マルホール氏と「愛の爆笑」「空の王者」のライラ・リー嬢で「四枚の羽根」「魔の海」のノア・ビアリー氏、「嵐に咲く花」のマルコム・マッグレガー氏、「快走王」のタリー・マーシャル氏、アレック・B・フランシス氏、クロード・アリスター氏、ヘッダ・ホッパー嬢が助演している。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:Murder Will Out

ストーリー

レオナード・スタントンは上院議員バルドウィンの邸宅に週末を過すべく仕度していた時、倶楽部員の1人アラン・フィツヒューが1通の書面を持って息せき切って駈けつけて来た。その書面には紫色の秘密文字でアランを殺害すると認めてあった。フィツヒューの狼狽している様子が余りに可哀想なのでスタントンは彼を守ってやることにした。が真夜中に至るまで何事も起らないのでフィツヒューは安心の胸を撫で下ろして彼と別れることになった。だが彼が車に乗るや否や車からは叫び聲が聞えて来た。そして翌日スタントンは附近に1個の死体を発見した。それは容易に見別けがつき兼ねるほど切りさいなまれていたが前後の模様からフィツヒューに相違なかった。スタントンはバルドウィン家の知人マンスフィールド博士と共に棺の附添人となって葬儀に加わった。煙草を喫いかけた刹那マンスフィールド博士は意外な事実を発見して駭いた。博士の煙草入れの中味は何時の間にか毒薬を混じた煙草とすり換えられていたのであった。スタントンとジャンと探偵コンドンはともかく葬儀を終え、墓地から取りあえずマンスフィールド博士の家へ赴いた。ところが博士がしまって置いた解毒剤は盗みさられ、博士は息も絶え絶えであった。一同は書斎を出て犯人の行方をさがしたが判らない。そして再び元の部屋へ帰ってきた時、博士の死体は見えなくなっていた。窓外に1つのスリッパが落ちていたが、それには例の紫色の文字で次の犠牲者はスタントンであること、三日の中に襲うことが書かれていた。数日後、スタントンがジャンと彼女の父親と伯母とカードを遊んでいた時、彼はカードの1つに紫の文字を発見した。それには午前2時にバルドウィン家の庭園内の塔附近まで来いと書いてあった。コンドン探偵はスタントンの身代りに指定の場所へ出かけて行った。だが脅迫団との話は不調に終ったものか2時になると同時に轟然たる爆音が聞えた。スタントンは急ぎ塔にかけつけた。すると其所には血に染んだ短剣と手紙が落ちていた。手紙の文字は例によって紫色で代理人を遣わしたもので、翌日の日没にニューヨーク港のはずれの浮標のある所まで50万弗持参せよ、さもなくばジャンの生命は危いとある。スタントンはそこでジャンには一言も言わず1人で金を集められるだけ集め、モーター・ボートで約束の場所に向った。すると1隻の小舟が近よって来てスタントンに手を挙げろと命じた。だが約束の金額だけスタントンが持っていないことを知るや悪漢たちは彼を殺すると威嚇した。その時、潜水艇が1隻突如として現われた。乗組の1水兵はスタントンにこっちへ乗り移れと招いた。そこへ移ったスタントンは思いがけなくも艇中にジャンや彼女の父や弟などを見出した。ジャンの話によると彼女が彼の危険を知り父親をすすめて潜水艇を繰り出させたとのことであった。小舟の脅迫団は一網打尽縛に就いたが覆面をとればそれは死んだ筈のアラン・フィツヒュー、マンスフィールド博士、コンドン探偵達であった。かくて不安が一掃され朗らかな気持になったジョンとスタントンとは、再びボートに乗り移って月光映ゆるニューヨーク港上に愛を囁き合ったのである。

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