殺人鬼と光線

解説

エドガー・ウォーレス作の探偵小説の映画化で、ユージーン・ソロウとピーター・ミルンが共同脚色し、「女囚の意気地」のハワード・ブレザートンが監督に当り、「相寄る魂」のアーサー・タッドが撮影している。主演者は「世界は還る」「ケンネル殺人事件」のメアリー・アスター、「ドクターX」「南風の恋歌」のライル・タルボット、「猫眼石怪事件」「五十六番街の家」のジョン・ハリデイ及びフランク・マクヒューで、ロバート・バラット、アーヴィング・ピチェル、ジョージ・E・ストーン等が助演している。

1934年製作/アメリカ
原題または英題:Return of the Terror

ストーリー

モーガン療養所長レドメイン博士は入院中の精神病者を毒殺したとの嫌疑で公判を受ける。博士は老齢不治の精神病者は寧る医師の手で死なせてやる方が人道的であるとの所信を述べる。所長次席のグッドマン博士、弁護士バーク、博士の許嫁オルガの三人は相談の上、レドメイン博士は精神に異状ありと申立てて入院させ、再審を申請するが、それは却下される。レドメイン博士は強力なレントゲン線を照射すると骨格だけしか見えなくなる薬の発明を完成しかけていたが、博士の起訴後はグッドマン博士が代り遂に完成する。レドメイン博士は精神病でもないのに永らく精神病院に幽閉される苦痛に堪え兼ねて暴風雨の一夜脱走する。其夜診療所では博士の姿を認めたと言って大騒ぎとなり、警官も駈けつけて捜したが見つからない。所が博士に不利な証言をした一療養所員が殺され、引続き弁護士バークも死体となって発見され、一様に「殺人鬼」と署名した死の宣告状が被害者のポケットから現われる。そこで犯人はレドメイン博士に相違ないと推定され、療養所構内に潜伏しているものとの見込みで捜索が続けられる。新聞記者のジョーが実験室をしらべていると、骸骨が動いたので気を利かして傍らのレントゲン線放射機のスイッチを切る。すると動いた骸骨こそは失踪中のレドメイン博士であった。警官は即座に博士を逮捕する。その時階上のグッドマン博士の部屋で数発の銃声が轟いたので一同が駈けつけて見るとグッドマンは負傷して居り、博士の助手ラインハルトは射殺されて居た。グッドマンはレドメイン博士が来て自分と助手を射ったのだと言うが、警官はレドメイン博士は階下に居ることを知っているので有無を言わさずグッドマンを捕縛する。グッドマンは新式レントゲン装置発明の功とレドメイン博士の許嫁オルガを己が手に入れようとの野望から、手先を使って患者を毒殺させてその罪をレドメイン博士に転嫁し、次で博士の精神病院脱走を奇貨とし、その手先を殺したのであった。かくて世間を騒がせた怪事作も漸く解決した。

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