「夜がまた来る・・・」エレファント・マン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
夜がまた来る・・・
モノクロだけど4K修復版は凄かった。ジョン・メリックの特殊メイクもさることながら、布に開けた目の周りを縫ってあるところまで鮮明に。58針くらい縫ってありましたよ(適当)。30数年前にTV放映で観たのを最後にリピートせずにいた甲斐がありました。その当時は紙袋を被ってエレファントマンごっこなんて流行りましたよね・・・
今回、最も強烈に感じたのは人の痛みを知ることの大切さといったところでしょうか。年をとったせいか涙もろくなり、医師フレディ・トリーヴス(ホプキンス)の家に招待されたとき、妻アンの優しさに触れ、どっと涙が溢れてしまいました。ケンドール夫人(バンクロフト)とのロミオとジュリエットの本読み、見世物小屋仲間の助け、そしてトイレに追い詰められたジョンが「I'm a human being」と悲痛な叫びも同様、涙ちょちょ切れです。ようやく自分にも人間らしさが戻ってきました。エレファントマンごっこなんて不謹慎も極まりないことです。
また、新たに思いを巡らせたのはラストで彼が自殺するシーンです。知性があり、感情も豊かであったことから、初めての演劇鑑賞や完成した大聖堂の模型に満足したこともあったでしょう。夢に包まれている気分だったに違いありません。世話になったフレディへもう迷惑をかけられないとも思ったことでしょう。「あなたはロミオよ」という言葉を思い出したのかもしれません。そして、何と言っても普通の人と同じように横たわって寝ること!どれだけ普通の人になりたかったことでしょう。彼の病室にはケンドール夫人の写真よりも目立っていた“寝ている人”の絵が飾ってありました。ベッドに仰向けに寝ることは彼にとって“死”を意味します。
星降る夢のなんと幻想的なことか。ジョンはやっと普通の人になれたのです。しかし、余韻に浸ろうとするのにリンチ監督はそれを許しません。あっという間に会場が明るくなり、こうやってレビューして思い出してまたさらに感涙。
この映画、見たつもりになっていたけど、そういえばなんと未鑑賞でした(驚汗)
昔うちの弟がこれを観て、2時間の映画を2時間かけて身振り手振りで熱く語ってくれたのです。横になって呼吸困難で死にゆくさまは肩を震わせて苦しそうに・・。弟は講談師になれると思います(笑)
僕?ダメなんですよ、映画の説明。
「と、とにかくさ凄いんだよー!」しか言えないので弟に完敗です。
はーやーく兄らしくなりたーい!😭
今晩は。
デクスター・フレッチャーの件は、パンフレットに記載してありました。本当に驚きましたし、嬉しかったですね。そもそも、パンフレットが新しく制作されていた事自体が嬉しい驚きでしたが。
又、当時若きデヴィッド・リンチ監督に対し、アンソニー・ホプキンスが恫喝に近い態度で接していた”俺の演技に注文付けんじゃねーよ、若造が・・”とか、イロイロと合ったんだねえ・・。と感慨深いモノがありましたね。
では、又。
ー社内で、アンソニー・ホプキンス状態になっていないだろうな、私。とも思いました・・。-
おはようございます。
素敵なレビューですね。朝からジーンとしてしまいました。
さあ、今日も仕事頑張ろう・・。第2波対応で、少し疲れ気味でしたが、元気貰いました。
では、又。