最後の手榴弾のレビュー・感想・評価
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タイトル前の描写で度肝を抜かれる
忘れもしない小学生のとき、ロードショー公開時に渋谷パンテオン劇場の大画面で鑑賞した。
当時としては考えられないような、映画冒頭から重機関銃による機銃掃射で、敵に寝返ってヘリから味方を大虐殺です、しかも笑いながら……
ほぼ異常者、異常を感じる残忍さです。
建物、施設は爆発して、人間も吹き飛ばされ、血だらけとか火だるまとか、それも自分は大型ヘリで上空を移動しながら浴びせまくる。
ほぼ皆殺しに近い。
(残忍さでは、ジャンゴのレンコン機関銃も霞みそうです。)
こんな酷い重機関銃の応酬は、我が最愛とも言える『ワイルドバンチ』以外で観たことが無い。
偶然なのか、このどちらも1969年の同年度作品。
しかし、『ワイルドバンチ』はこの時点ではまだ未観だったうえ、『ワイルドバンチ』ではそれがラスト最大の見せ場となっていて、あくまでも任侠的「仁義」や「お礼参り」「ケジメ」的だったのに対し、こちらは金で敵に寝返ってなドライでビジネスライクな理由で元の殆ど無防備状態の仲間をほぼ皆殺しですから、小学生にはその時点で理解不能状態、というか「なんだか、今まで観てきた映画とは違う….」と感じました。
一般的には割とストーリー的で、派手な描写や、極端に過激なイメージがしなかった当時のイギリス映画からすると相当異質で、マカロニ系でもあそこまで思い切ったのは多くは無いんじゃ無いかと。
一見、地味そうに見える出演者の顔ぶれも中々のモノです。
主演は『ナバロン』や『ゾロ』のスタンリー・ベイカー氏
『大脱走』や『ジュラシック』出演や監督としても有名なアッテンボロー氏
007GFプッシー・ガロアのブラックマン
リメイク『駅馬車』、後年『エアーウルフ』アークエンジェルのアレックス・コード氏
『SW•EP5』や『ユアアイズオンリー』のジュリアン・グローバー
オリンピック陸上金メダリストで『消されたライセンス』レイファー・ジョンソン
とか、相当な布陣だったんだなと、後年改めて思いました。
ストーリーの主軸は、東南アジアに展開して共産ゲリラと戦っているイギリス軍関係者と、それを裏切って壊滅に近い打撃を与えて逃げた裏切り者との執念の戦い、というか両者の間の異常な確執がもたらした結果、迎える「自分だけ抜けて幸せになろうったって、そうはさせないぜ…..」な結末です。
‘70年代には時々TV放送もあり、MGCからスターリングMark5が(一時的に)発売されたりとかもありましたが、近年はめっきり見かけなくなってしまいました。
我が国ではこれまでソフト化も叶わず、残念な限りです。
取り敢えずは、数年前に手に入れたアメリカ盤DVDで、時々思い出したように、何故か観たくなります。
英語音声以外に、英字幕も“CC “ も何も無いのがたまにキズですけど、無いよりかはマシかと。
画質も思ったよりかは酷く無かったのがせめてもの幸いか。
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