コンサート
解説
「パリの洒落者」「結婚商売」等のアドルフ・マンジュウ氏主演の最初のオール・トーメルビル・ベイカー氏が改作、「三週間」「都会の幻想」のルイズ・ロング女史が脚色、「忘れられた顔(1928)」「レッドスキン」のビクター・シェルツィンゲル氏が監督、「レッドスキン」「野球王」のエドワード・クロンジェガー氏が撮影したものである。マンジュウ氏の相手役は「ロビンソン・クルーソー漂流記」出演の英国女優フェイ・コンプトン嬢及び同じくロンドンから来たミリアム・シーガー嬢が勤め、ジョーン・スタンディング嬢、ジョン・ミルジャン氏等が助演している。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:Fashions in Love
ストーリー
フランス出身の世界的ピアニストのボール・ドゥ・レミは永らく米国に住んでいるが、妻のマリーとは至極円満な仲であり、マリーの内助の功でポールは後顧の憂いなく芸術に精進して音楽家としての名誉はますます隆まった。彼の聴衆には夫人が多く演奏会毎にポールに署名を求めるためや、音楽談をするためや、あるいは恋をしたいために押し掛けて来る女が少なくはなかった。マリーは良人の仕事を良く理解していたので嫉妬がましい振舞いは無く、お互いに深く信じ合い愛し合っていた。ところがある日マネジャーのレブンソーンはポールにデルフィン・マーティンという社交界の美人を紹介した。彼女はフランク・マーティンという科学者の若い妻で愛敬者ものだったのでポールも気が向いて勤めらるるままに、マリーと共にマーティン邸の夜会に赴きデルフィンとは親しい仲となった。かくてポールとデルフィンとはある日2人連れでポールの別荘へ自動車で出掛ける程の親密さとなった。ところがポールの女秘書ウェラーはこれを嫉視して、ことを仰仰しくデルフィンの良人マーティンに知らせた。心配したマーティンはマリーを訪れて事情を訴えたので、良人に間違いはないと信じてはいたがマリーも同行することになった。別荘に着くとマリーはポールに、マーティンはデルフィンにそれぞれ離婚したい意思あることをほのめかしてすぐさま帰ってしまった。そこでポールはマリーがマーティンと結婚しはせぬかと恐れて大急ぎで後を追った。デルフィンは良人に棄てられポールに嫌われた形となり死ぬと言って騒ぎ出したが、元々マリーもマーテインも各々良人と妻とを懲すために書いた狂言であるから、間もなく無事円満に解決した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビクター・シャーツィンガー
- 脚本
- メルビル・ベイカー
- 脚色
- ルイズ・ロング
- 原作
- ヘルマン・バール
- 台詞
- メルビル・ベイカー
- 撮影
- エドワード・クロンジェガー