高速度娘ジャズの巻

解説

「高速度娘蕾の巻」に次ぐアリス・ホワイト嬢主演映画で「浮気天国」「彼とお姫様」のルイズ・ファゼンダ嬢が共演するオール・トーキー映画である。但し我国に於いてはサイレント・プリントのみしか提供されない。ロバート・エス・カー氏の原作をルイ・スティーヴンス氏が脚色し、「高速度娘蕾の巻」「万事円満」のマーヴィン・ルロイ氏が監督したものでカメラは「踊る青春」「万事円満」のシド・ヒコックス氏が担任した。助演者は「鉄仮面」のウィリアム・ベイクウェル氏、「感激の泉」のドリス・ドーソン嬢、かつて子役で鳴らしたバディー・メッシンジャー氏等である。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:Hot Stuff

ストーリー

バブス・アレンとその伯母のケティーは田舎の町でささやかなガソリン供給所を開いて長閑に暮していた。ケティー伯母さんは未だ独身でバブスを大変に可愛がっていたが、バブスが女学校を卒業した時に一寸まとまったお金が手に入ったので、姪の望みに任せて二人はマディソン大学のある町へ移転しバブスは大学へ入学した。若い美しい快活なバブスは男学生たちにちやほやされたが、中でもマック、サンディー、タフィー、ポップ等は彼女を取りまいて毎日毎晩大騒ぎをやらかしていたが、バブスは間もなく大学一のモダン・ボーイのマックモランがとても好きになった。それを故意に他の青年と仲好しのふりをしてマックを焦らせていたが、ある日バブスはマックと二人で大雨の中を自動車を飛ばしていて故障が起ったので、仕方なしに二人は空家に避難し、濡れた着物を乾かしたりなどしていた。その時偶然来合わせたタフィーやサンディーなどに見つかったが、マックは事情を説明して友達の疑念を氷解せしめた。その後間もなく学生たちが底抜け騒ぎの会を開いた時、バブスが余り盛んに酒を飲むのでさすがのマックも怪しんで監視していると、彼女は飲んだ真似をしているので実は少しも飲まないでいることが判った。バブスがあんまりモダン型なのを残念に思っていたマックは初めて彼女の本心を知り非常に喜んだ。そして彼のモダン振りも実は外見だけで実は真面目な青年であることを彼女に告げた。それで二人が大喜びをしたことはいうまでもあるまい。

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