「娘の瞳に映る父親」エル・スール Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
娘の瞳に映る父親
「ミツバチのささやき」「瞳をとじて」に続いて「エル・スール」をヒューマントラストシネマ渋谷で。劇場で観るのは三十数年振りである。
3週間の間にビクトル・エリセの50年3本を
スクリーンで観る事が出来た。
光と影の演出が「ミツバチのささやき」よりも際立っていたと思う。
3作とも娘と父親の関係を軸に、映画が絡むのは同じだ。映画が上映されているスクリーンに映っているものがそれぞれ大きな意味を持つ。
そして、その上映されている場所が、「ミツバチのささやき」の巡回上映から「エル・スール」では映画館に変わり、「瞳をとじて」では閉館した映画館になってしまうのである。
年齢が上の分「ミツバチのささやき」のアナよりは「エル・スール」のエストレリャの方が父親に近づく。しかし、「ミツバチ〜」から50年後のアナでさえ父親とは解り合えないのだ。
父親は生命を絶ち、娘は父親がかつて捨てた南の地へと向かう。製作されなかったその後の部分で「南」へ行った後の娘は何を見て、何を感じたのだろうか。
最近、私の誕生日には3才から映画館に連れて行った娘のオゴリで一緒に映画を観ている。今の娘の瞳に父親の私はどう映っているのだろう。
こんにちは
娘さんとよいご関係なんですね。微笑ましくほっこりしました。
私にはこの父の、娘に対する「他人さ」を感じて切なかったです。
父はずっと、自分の薄いバリアのなかで過ごしており、バリアを隔ててしか相手と触れ合わないような感じがしました。娘にすら、バリアを超えて踏み込むことも踏み込まれることも拒絶しているように見えてしまって。。。 長々とスミマセン
わかるまでに何回か見直すエリセ監督の作品。ようやく噛み砕き始めると共通して感じる家族への思いと映画の絡みに、人生と切り離せない豊かなものがあたたかく湧いて来る気がします。
娘さんとのエピソードにはほっこりしました😌
映画を観るたびに、きっといつまでもお父さんの温度(あたたかさ)を感じるんだろうなぁと思います。