国境の町(1935)

解説

「仮面の米国」「彼の第六感」のポール・ムニが主演する映画で、キャロル・グレアム作の小説に取材して「餓ゆるアメリカ」のロバート・ロードが書き下ろし、「ヘル・ビロウ」のレアード・ドイルが「海を嫌う船長」のウォーレス・スミスと協力して脚色し、「最初の接吻」「地獄の市長」のアーチー・L・メイヨが監督に当たり「スター悩殺」「有閑火遊び」のトニー・ゴーディオが撮影した。助演は「痴人の愛」「流行の王様」のベティ・デイヴィス、「太平洋攻防戦」「生活と恋愛」のマーガレット・リンゼイを始め、「暁の暴風」のユージーン・パレット、「彼の第六感」のロバート・バラット及びホバート・カヴァナ、ギャヴィン・ゴードン、ソレダッド・ヒメネス等である。

1935年製作/アメリカ
原題または英題:Bordertown

ストーリー

ジョニー・ラミレスは長年の努力が報われて一本立ちの弁護士となった。彼が最初に扱った事件はメキシコ人の老野菜売りがデール・エルウェルと言う富豪の娘の自動車に野菜車をひっくり返された損害賠償要求の提訴であった。ところがこの裁判はジョニーがアメリカ生まれのメキシコ人である故と。彼が語学に不十分なところから原告の敗訴に終わった。そして彼は相手方の弁護士の暴言に憤慨し、これに暴力を加えたため弁護士の資格を剥奪されてしまった。彼は権力と金力に依ってこの復讐をすべく、チャーリー・ロークが経営する米墨国境のある町の酒場の用心棒となり、ついにその支配人から共同経営者となった。チャーリーの妻マリーはジョニーに言い寄ったが彼は見向きもしなかった。恋に狂ったマリーは一夜泥酔した夫を車庫に閉じ込め、窒息させてしまった。しかしチャーリーの死は過失と認められた。ジョニーは新しいキャヴァレーを造った。その開店の夜数年前法廷で争ったデールが現れた。彼はデールに愛を感じるようになった。嫉妬に燃えたマリーは、ジョニーの差し金で夫を殺したと称し、ジョニーに復讐しようとしたが、裁判所でマリーは過度の心労の結果発狂したのでジョニーは証拠不十分で放免された。その後ジョニーはデールに結婚を申し込んだが、始めから火遊び気分であった彼女はこの求婚を笑殺し、なおも負い縋るジョニーの手から逃れようとして前方から来た自動車に轢き殺された。ジョニーは自分の野心の全てに破れ、真の人生の幸福がいづこにあるかを悟り、故郷の母の許に帰った。

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映画レビュー

2.5ベティ・デイヴィス映画

2024年9月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ポール・ムニが乱暴っぽさのある「のし上がり者」、年配経営者と結婚している時点で「こりゃあ、彼を殺しちゃいそうだな~」と思わせるベティ・デイヴィスが共演している映画🤗
サスペンス映画にカテゴライズされているので観たが、さほどハラハラドキドキはしない😅

メキシコシティで努力を続けてようやく弁護士になったジョニー・ラミレス(ポール・ムニ)だが、周りは金を持っていない人が多く、野菜売りの年寄りの自動車がスピード違反の富豪女性に壊された裁判の弁護をする。
しかし、まったく準備不足で被告側弁護士に到底かなわず、相手弁護士を法廷で殴って弁護士資格を剥奪されてしまった。そんな彼は職探しの旅に出て、国境の町にある酒場の用心棒となった。彼は用心棒⇒支配人⇒共同経営者となるが、彼を雇った経営者チャーリーの妻マリー(ベティ・デイヴィス)はジョニーに言い寄る。ラミレスは「チャーリーとは良い仲を保ちたいので…」とマリーを相手にしない。するとマリーは事故死に見せかけて夫チャーリーを殺し、ジョニーに言い寄るが……といったドラマ。

せっかく弁護士になったジョニーが法廷暴力で弁護士資格剥奪も気の毒だが、富豪女性(マーガレット・リンゼイ)に結婚を申し込んだジョニーに「あなたとは生まれた世界が違う」と出自差別されたりするあたりは可哀そうになる。
また、法廷場面でのベティ・デイヴィスは演技上手いが、狂った女性役というのも哀れ。
全体的に「気の毒な場面」が多く、いまいちノリ切れなかったアーチー・L・メイヨ監督作であった。

映画がイマイチであっても、やっぱりベティ・デイヴィスは上手い‼️

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たいちぃ