拳闘のキャグネー
解説
「群集の喚呼」に次ぐジェームル・キャグネー主演映画で、監督は「腕の男」「タクシー」等キャグネー映画をものしているロイ・デル・ルースが当たった。ジェラルド・ポーモンが書卸したストーリーをウィルソン・ミズナーと「男子入用」「支配する声」のロバート・ロードが脚色している。カメラは「シンガポール航路」「夜の大統領」のロバート・カール。助演者は「ほほえみの街」「狼火」主演のマリアン・ニクソンを始め、「母」「ブロンド・ビィナス」のディッキー・ムーア、「ルンペン紳士」「群集の喚呼」のガイ・キッビー、「空の花嫁」のヴァージニア・プルース、「腕白大将」のクラレンス・ミューズ等である。
1932年製作/アメリカ
原題または英題:Vinner Take All
ストーリー
人気者のライト級ボクシング選手ジム・ケーンは人気が災いして酒と歓楽に健康を害してしまったので、友人一同はカンパをして彼をメキシコに近い療養院へ送る。そこで彼はペギイという若い女が病気の男の子を連れて保養に来ているのに会い、彼女を恋に陥る。彼女は以前ブロードウェイのキャバレーに働いていてジムを知っていた。彼女は金がなくなあったので予定を早めて引き上げようとする。ジムはそれを知って付近の町で挙行されるボクシング試合に出場して賞金を取り彼女の名義で療養院に払い込む。その後間もなく彼は本復してニューヨークへ帰り華々しくリングに復活する。ジョーンという有閑婦人がジムに興味を覚えて冗談に彼に言い寄ったのを、彼は本当に彼女が恋したものと思い込んでしまう。そして整形外科の手術を受けて鼻と耳とを治してジョーンの歓心を買うべく努めた。その結果彼はリングの上でも兎角鼻を気づかうようになり、成績が悪くなり人気も落ち目となる。ペギイはジムから便りがないのを案じてニューヨークへやって来るが、ジョーンに心を奪われている彼は、縁切りの話を持ち出して手切金を彼女に興えようとするのでペギイは怒る。ジムは遂にジョーンと結婚することに決め、リングから引退することとなり、最後の試合としてライト級選手権保持者に挑戦する。試合の当夜、切符を送って置いたリングサイドの席にはジョーンの姿は見えなかった。そして十時半出帆のハバナ行の定期船に乗ったことが分かった。当夜のジムは昔日の力と業と闘志とを取り戻していた。彼は見事にチャンピオンヲノックアウトしてしまう。彼は選手権を獲た宣告さえも受けずに波止場へ急行した。しかしジョーンの突然の旅行の目的はジムと別れることにあったのだ。ジムはこれを汁や彼独特の方法で見事に解決をつけ、その足でペギイの許に駆けつけた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロイ・デル・ルース
- 脚色
- ウィルソン・ミズナー
- ロバート・ロード
- 原作
- ジェラルド・ボーモン
- 撮影
- ロバート・カール