結婚双紙
解説
「月光の曲」「天使の顔」と同じくロバート・Z・レナードの監督作品でウルスラ・パロットの小説から「有頂天時代(1930)」のニック・グラインドとゼルダ・シアースが脚色し、ジョン・ミーハンが撮影台本を作った。主演者は「天使の顔」「思い出」のノーマ・シアラー、「天性の罠」「アリバイ」のチェスター・モリス。助演者は「接吻」のコンラッド・ネーゲル、「スポーツ王国」のロバート・モントゴメアリー、ヘレン・ジョンソン、ヘレン・ミラードその他でカメラはノーバート・ブロディンの担当。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:Divorcee
ストーリー
医師バーナードの娘ジェリーは昔から親しい仲のテッドと互いに恋し合っていたがハッキリ打ち明ける機会がなかった。彼女の父が山荘に友人等を招待し、都塵を避けてセセラギの聞こえる小川の樹立の陰に2人は初めて胸のうちを明かした。2人は誓った。そして1カ月後に結婚すると約束しあった。そして山荘へ帰って、その旨を席上の人々に発表した。ジェリーを思っていたポールはこれを聞いて失恋の痛手からやけ気味となり、日ごろ自分を恋しているドロシーとその妹のメアリーを乗せてものすごい勢いで自動車を走らせた。酔ったポールのハンドルは狂って車は崖下に転落した。ポールとメアリーは微傷さら受けなかったがドロシーは車の下敷きとなって重傷を負った。幸いにジェリーの父親が医師であるので応急の手当てを受け彼女は直ちに病院に収容された。が不具はまぬがれ得なかった。メアリーは口を極めてポールを罵倒した。そしてその責任をなじった。ジェリーとテッドの結婚式は華やかに挙げられた。それから間もなくのことポールは牧師を連れて病床にあるドロシーと結婚の誓いを立てた。3年の月日は夢のごとく流れた。ジェリーとテッドは幸福に浸った。今日はその結婚を祝う日であるがテッドは突然社用を帯びてシカゴに立たねばならなかった。ちょうどそこへ彼ら夫妻を祝って友人のドン、ヘレン、ハンクの3人が見覚えぬ婦人ジェニスを連れて訪れた。テッドが部屋をはずした時、ジェニスは彼の後を追って、彼にしながれかかった。それを見たジェリーはその場は何気なく装ったが、あまりのことに寝室に退いて泣き崩れた。テッドは陳弁につとめた。良人を駅まで見送ったジェリーはドンに送られて家に戻った。彼女の心は冷静を失っていた。彼女は家にじっとしていられなかた。彼女を慰めようとしたドンはかえって彼女に説かれて歓楽の場所にともども足を向けた。所用を終えてテッドは帰宅した。しかし何という冷やかな彼女の態度であろう。ドンから彼女に電話がかかって来た。憤怒に燃えたテッドは、その男は誰だと詰問したが彼女は答えようともしない。彼ら夫婦の家庭には昔の日のなごやかな空気はすっかり消え失せてしまった。2人の間の溝がますます大きくなって来た時、彼女は堅く決心した離婚の手続きを済ました。その後彼らは時おり顔を合わせたがお互いに軽く挨拶を交わすのみであった。彼女は傷ついた心を癒すためにますます快楽を追ったが悩みは加わるばかりであった。テッドもまた彼女を忘れかね悶々の情を酒にまぎらわしていた。心ならずもドロシーと結婚したポールはジェリーを慕ってともに海上にヨットを浮かべ、あるいは旅行に彼女の気嫌をとったが彼女の心は癒されなかった。ドロシーが訪れて夫ポールの愛を奪わないでくれと嘆願された時彼女はドロシーの身の上を思いやり、且はたまたまヨーロッパから帰って来たヘレンの話にテッドがパリの歓楽境に酒で身を持ち崩していると聞いてジェリーは初めて自分のとるべきみちが判った。彼女はテッドを追ってパリに渡った。彼を慕って来たと知ったテッドの驚きと喜び、2人は相抱いて嬉し涙にむせんだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロバート・Z・レオナード
- 脚本
- ジョン・ミーハン
- 脚色
- ニック・グラインド
- ゼルダ・シアーズ
- 原作
- ウルスラ・パロット
- 台詞
- ジョン・ミーハン
- 撮影
- ノーバート・ブロディン
- 編集
- ヒュー・ウィン