暗の小路
解説
「神ぞ知る」「カナデイアン」等と同じくトーマス・ミーアン氏主演映画で、原作は劇作家オーウェン・デイヴィス氏が特に執筆し、エメツト・クロージア氏が脚色したものを「猿飛カンター」「百貨店」等と同じくフランク・タツトル氏が監督した。主役ミーアン氏を助けて「金髪か黒髪か」「ハレムの貴婦人」等出演のグレタ・ニツセン嬢、「百貨店」「女ロビンフッド」等出演のイヴリン・ブレント嬢、お呼び「五つの魂を持つ女」出演のヒユー・ミラー氏が出演している。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:Blind Alleys
ストーリー
ある商船会社の船長デニエル・カービーはある時キューバ島からリタという女を妻にしてニューヨークへ帰った。そしてある旅館へ落ち着くと間もなく花を買いに出て自動車に轢かれウエヴスターという医者の家へ担ぎ込まれた。人事不省に陥ったダニエルが健康を回復する間でには少なくとも一週間を要する見込みであった。ところがダニエルは宿に残したリタのことが気に掛かり病気の癒え切らない中にひそかに病院を抜け出て旅館へ帰ろうとあせる、途中路傍に倒れてサリーという見知らぬ娘に介抱を受けることに成った。リタは夫が行方不明に成ったのでその筋に頼んで夫の捜索をして貰おうと思って旅館を出ると間もなくふとしたことからある泥棒等の巣窟へ換金されてしまった。そしてようやく彼女がその虎口から逃れ出た頃にはダニエルも病気が癒って彼女を捜し回っていた。しかし広いニューヨークのことではあり二人はその後なかなか巡り遭えなかった。その中リタの友人で且つ以前彼女に求婚したことのあるジユリオ・ラカドスという青年がニューヨークへ来たため、リタはその男と二人でダニエルを探し回ったが遂に首尾よく夫の居所を突き止めることができた。しかし行って見るとその処にはダニエルはいないで意外にもサリーという女が女房顔をして立っていたのである。ジユリオはリタにダニエルのことを思い切って自分と一緒にキューバへ帰る様に勧めた。そして一緒にキューバ行きの汽船へ乗り込んだが、リタはこのニューヨークを去る気に成れず、又汽船から埠頭へ降りてしまった所へぽっこり夫のダニエルが馳せ着けて、この処に初めて彼らは再会の喜びを得たのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- フランク・タトル
- 脚本
- エメット・クロージア
- 原作
- オーウェン・デイビス・Sr.
- 撮影
- アルヴィン・ワイコフ