疑惑晴れて

解説

「母ぞよく知る」「港々の女難想」のジョン・ジー・ブライストーン氏監督によるオール・トーキーで、ミルトン・H・グロッパー氏とエドナ・シェリー女史とが合作した戯曲を映画化したものである。主役を演ずるのは、「懐しのアリゾナ」で共演したエドモンド・ロウ、ワーナー・バクスターの2氏、それから曾て「水陸狂走楽」に出演し近くは「四人の悪魔」「河(1928)」に出演したメアリー・ダンカン嬢、この3人であるが、それを助けてアール・フォックス氏、ナタリー・ムーアヘッド嬢、ドナルド・クリスプ嬢、等が出演している。キャメラは「第七天国(1927)」「街の天使」のアーネスト・パーマー氏の担任。エイ・エッチ・ヴァン・ビュレン氏が台詞を執筆し併せて舞台監督の任に当った。

1929年製作/アメリカ
原題:Thru Different Eyes

ストーリー

ハーヴェイ・マニングは親友の画家ジャック・ウィンフィールドを殺害した容疑者としてニューヨークのの陪審裁判に付せられた。マニングの妻ヴァイオラは夫をかばい彼に有利な証言をしていた。閉廷筆頭の被告側弁護士の言によれば事件は次の如きものであるとされた--マニング夫妻は至って仲睦じかった。兇行当夜、マニングはソーントン夫妻を迎えて食事をした。席半ばにして彼は商用で出かけて行った。それからソーントン夫妻が邸を辞し去る際にジャックがイタリアに立つ暇乞いに来た。が、その夜再びジャックはその家を訪れヴァイオラに挑みかかったのである。ヴァイオラがそれをはねつけると彼は傍にあったピストルを取ってヴァイオラに向けて発砲した。が、それは不思議にも空弾であった。とは知らぬジャックは彼女が死んだものと思い二度目の弾丸で自らの命を断った。あの際に戻って来たマニングは妻がジャックと殺したものと思い自ら罪を被たのである。故にこの事件は殺人ではなく、自殺である。と。しかし次に経った検事が下した論告によれば事件は次の如きものなのであるという--マニングの家庭は非常に乱れていて常にソーントン夫妻の如き面白からざる友人と酒食に耽っていた。そして夫妻喧嘩の絶間がなかった。それに妻のヴァイオラはとかく風評のある女で夫の友ジャックを密かに恋し兇行当夜の如きもジャックを誘惑せんとした。その場へ帰ってきたのがマニングで彼はジャックを射殺したのである。かかる次第であるからマニングに対しては更に同情の余地がないのである。と。それに続いて陪審官の罪の申渡しが行われた。マニングは有罪と決まった。が、その時、傍聴席にいたコーラスガールのヴァレリー・プリアンが立上ってマニングの無罪を叫んだ。では誰がマニングを殺したのか?それはヴァレリーが涙ながらの物語の中に明らかにせられて行くのである。ヴァレリーはジャックとどういう関係があったのか?そして何故に彼女はジャックを射殺したのであるか?

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