「まさかこれを生身でやったのか???」キートンの栃面棒 Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかこれを生身でやったのか???
派手な映像技術に慣れきった昨今、改めてサイレント映画を観るとなんと面白いことか。
断片的なシーン走っていたが「セブン・チャンス」を通してみたのは初めてだ。
CGも合成技術もない時代に、まさかこれを生身でやったのか?というような正気でないとしか思えないシーンが続く。話の内容はたいした筋じゃないのだが、クレーンに吊り下げられたり、本物の汽車の前を轢かれる寸前で横切る映像などまさしくそれだ。
そこまでさせる「映画」というものの魔力を改めて考えさせられる。デイミアン・チャゼル監督が「バビロン」で描いたサイレント映画時代の狂気は決して誇張ではなかったのだ。
サイレント映画は台詞もモノローグも映像技術ないだけにひたすら動きに特化して伝える必要がある、果たして現代の役者でここまで動きで魅せられる役者がいるだろうか。
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